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英首相、10月中旬まで議会閉会 「合意なき離脱」現実味
2019年8月28日 19:27 (2019年8月28日 22:25 更新)



【ロンドン=中島裕介】ジョンソン英首相は9月9日の週から10月13日までの約1カ月間、議会を閉じる方針だ。首相官邸が28日、発表した。議会は9月2日までの予定で休会しており、9月3日に再開後、1週間ほどで再び閉じる見通しだ。計画通りならば、10月末の欧州連合(EU)離脱までに英議会で議論する時間は大幅に短くなる。

ジョンソン氏はメイ前首相がまとめたが英議会で否決された離脱案の修正を求めるが、相手のEUは拒んでいる。与党の一部と野党勢力の多くはEUとの合意がないまま離脱すると政経両面で大きな混乱が生じると批判するが、ジョンソン氏は議会日程を大幅に短縮することで反対派の抵抗を封じる構えだ。「合意なき離脱」が一段と現実味を帯びるとみられる。

ジョンソン氏は28日、議会の開・閉会の権限を持つエリザベス女王に方針への同意を求めた。女王は政治的に中立であることが原則のため、政府の計画は受け入れられる可能性が高い。新たな会期は10月14日の女王の施政方針演説で始まる。

ジョンソン氏はEUと合意できなくても10月末に英国が離脱すると主張してきた。今回決めた議会日程の狙いは、強硬離脱に反対する動きの封じ込めだとの見方が支配的だ。バーコウ下院議長は28日、これと同じ見方を示したうえで「憲法違反の行為だ」と批判した。
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