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日本の農業支援、弊害も=モザンビーク農民が訴え−TICAD
2019年08月30日06時20分

 アフリカ南部モザンビークで、日本の農業支援事業が小規模農家の土地収奪につながっているとして、アフリカ開発会議(TICAD)に合わせ北部ナンプラ州から来日した農民団体代表コスタ・エステバオさんが見直しを求めている。横浜市で開かれたTICADサイドイベントに29日、登壇し「私たちの暮らしや文化を尊重してほしい。支援はモザンビーク政府にではなく、小さな農家に直接行ってほしい」と訴えた。

 エステバオさんが被害を訴えているのは、ナンプラ州で国際協力機構(JICA)が進める「プロサバンナ事業」。JICAは、モザンビークの農民について、小規模で技術も伝統的なものに限られ、生産性は高くないと考えている。JICAによれば、「適切な農業技術の導入により生産性・生産量の向上を図る」ことが事業の狙いという。

 しかし、エステバオさんによると、現地では小さな農家の土地が収用され、ブルドーザーで整地されては、輸出用の大豆農場に変えられている。「モザンビーク政府は各種国際フォーラムの場で『いくらでも土地はあるので投資してほしい』と外国に呼び掛けている。しかし、余っている土地はない。土地をめぐる紛争さえ起きている」と主張。日本滞在中に外務省やJICAの関係者と直接会い、実情を訴える計画だ。