害虫「トビイロウンカ」 宮崎県内全域で大発生 水稲被害を確認

 水稲被害をもたらす害虫トビイロウンカが宮崎県内全域で大発生し、一部地域で稲がまとまって枯れる「坪枯れ」被害が確認されたとして、県が農家に防除を呼び掛けている。
 トビイロウンカは熊本、鹿児島県でも多発し注意報が出されている。

 トビイロウンカは毎夏、中国大陸から飛来し、水田で繁殖。
 成虫(体長5ミリ)や幼虫に茎から養分を吸い取られた稲は枯れ、コメの品質低下や減収を招く。
 全国的に大発生した2013年には宮崎県内で収量が2970トン減る被害をもたらした。
 今年はジェット気流などの影響で飛来が増加。
 県は8月19日に大発生が予想されるとして警報を発令した。

 しかし、県内41カ所の調査水田の発生面積率が8月中旬の75.6%から、29日までに100%に拡大。
 過去10年で最大となり、1株当たりのメスの数も8月中旬の2倍(0.3匹)に増えた。
 「13年以上の被害が出る恐れもある」という。
 県は30日に記者会見を開き「ここで食い止めてほしい」と薬剤防除などを呼びかけた。

 県総合農業試験場によると、トビイロウンカの注意報は29日付の鹿児島県での発令をもって九州全県で出された。【塩月由香】

毎日新聞2019年9月3日 11時17分(最終更新 9月3日 11時17分)
https://mainichi.jp/articles/20190903/k00/00m/040/105000c