※夜の政治

※省略

 これは、条例制定権を定めた憲法94条に違反するのではないのか。そこで、この条例(素案)の基となっているヘイトスピーチ解消法を作った政治家の一人である自民党の西田昌司参院議員に、私が代表を務める「日本エア野党の会」として質問をぶつけてみた。次項に全文を示す。

令和元年7月29日西田昌司参議院議員殿

「(仮称)川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」及びヘイトスピーチ解消法に関するご質問初めまして。ネットで有権者を繋ぐ「日本エア野党の会」代表の山岡鉄秀と申します。この度は再選誠におめでとうございます。

 ご存知の通り、現在、川崎市において、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」の制定準備が進んでおります。この条例の大きな特徴のひとつは、本邦外出身者に対していわゆるヘイトスピーチを行った団体、または個人に対し、50万円以下の罰金が科せられるようになることです。罰則規定の追加は、この条例の元となっている「ヘイトスピーチ解消法」が理念法であった事実と一線を画するものです。私共は、このような条例が制定され、また拡散されていくことに危惧を抱いております。そこで、「ヘイトスピーチ解消法」制定の中心人物である西田先生にご質問させて頂きたく、是非、ご回答をお願い致します。

 川崎市条例が法律の範囲を超えて罰則規定を設けることは、憲法94条違反であるとお考えですか? 先生は以前、複数の番組で、「ヘイトスピーチ解消法」が一方通行だというのは誤解で、日本人に対するヘイトも罰せられる、と発言していらっしゃいますが、その根拠をお示し頂けますか?(そのようには読めませんので)

 先生は、共産党員などが沖縄県の辺野古で米兵に対して「ヤンキーゴーホーム」と叫んでも、政治的発言なのでヘイトスピーチにならないとおっしゃっていますが、米兵家族に対してそのように叫んでもヘイトスピーチではないとお考えでしょうか?

※省略

 西田先生の解釈に沿って、一部過激な嫌韓団体による発言がヘイトと見做されながら、共産党を含む極左活動家の発言は「政治的発言だからOK」になってしまえば、それ自体が公正さを欠く差別となってしまいます。そこに具体的な罰則規定が加われば、益々悪用されるリスクが高まります。

 西田先生におかれましては、ヘイトスピーチ解消法制定の中心人物でおられます故、川崎市の条例にも多大なる関心をお持ちであると推察致しますところ、上記ご質問にお答え頂けますと誠に幸いです。

 お手数ですが、8月2日までにご回答をお願いいたします。

 もし、直接お目にかかってご説明した方がよろしければ、議員会館までお訪ねいたします。

 何卒よろしくお願い申し上げます。

日本エア野党の会会長 山岡鉄秀

 西田氏はこれまで批判に対して積極的に答えてきた。また、在日特権を許さない市民の会(在特会)のメンバーを自身の番組に招いたこともあるから、即時回答があると思ったし、私も番組に呼ばれるかもしれないと思った。

 しかし、8月2日を1週間過ぎても回答が来ない。秘書の方にフォローをお願いしてもなかなか反応がない。とうとう2週間近くが過ぎた8月14日になってやっと秘書の方を通じて回答があった。

・質問に対して正式にコメントを出すことはできない。

・自治体条例であるため、国会議員として正式にコメントすることはできない。

・自治体市長も議員も選挙によってえらばれているので、その判断に委ねる。

・ヘイトスピーチ解消法に関して、罰則化は考えていない。

・双方に対して罰則を求めず、柔らかいモラル法としている。

・条例と法は異なるので、条例に関してはあくまでも自治体として対応すべきだ。

 以上が西田議員からの回答である。一転して消極姿勢になっている。条例に関してはコメントできないとのことだが、私は西田議員の過去の発言についても質問しているのだから、答えられない理由はないはずだ。

 ヘイトスピーチ解消法は最終的に自民党の政策調査会が認めたのだから、責任は自民党にあるという意見もある。しかし、起草者に意見を求めるのは自然なことだ。 想定しうる悪(あ)しき事態が現実になりつつある今、「法律と条令は違うからコメントできない」では無責任すぎると考えるのは私だけだろうか。矛盾して聞こえるが、「政治を政治家任せにしたらこうなる」という好例だ。日本エア野党の会はこの問題をうやむやにしてはならないと強く感じている。

2019年9月5日 6時24分
https://news.livedoor.com/article/detail/17033530/