千葉県富津市の港で1月、千葉市の内装工、宍倉(ししくら)拓也さん=当時(23)=を海に転落させ殺害したとして、養父ら3人が殺人容疑で逮捕された事件で、3人にはそれぞれ数百万〜1千万円の借金があることが捜査関係者への取材で分かった。

 県警は拓也さんに掛けられた多額の生命保険金を得る目的で3人が犯行に及んだとみて調べている。(白杉有紗、橘川玲奈)

 逮捕されたのは、拓也さんの養父で内装会社社長の宍倉靖雄容疑者(48)と、宍倉容疑者が経営する内装会社で働いていた佐中佑輔(31)、金子栄司(50)の両容疑者。

 拓也さんは平成27年9月、母親の知り合いだった宍倉容疑者が経営する千葉市内の内装会社に就職した。拓也さんが4千万円超の生命保険に加入したのは、入社翌月。宍倉容疑者が勧めたという。ただ、このときの受取人は母親だった。

 入社当初、宍倉容疑者は拓也さんを「後継者候補」としてかわいがっていたという。また、会社の近所に住む50代の女性は「拓ちゃんも宍倉容疑者を慕っていた」と話し、2人の関係は良好だったようだ。

 しかし、関係者によると、拓也さんは仕事でミスすることもあり、宍倉容疑者の元に取引先からクレームが来ることもあったという。宍倉容疑者は県警の調べに、「拓也の働きぶりに不満があった」とも供述しており、2人の関係は徐々に悪化していったとみられる。

 捜査関係者によると、宍倉容疑者が拓也さんを殺害して保険金をだまし取ろうと計画し始めたのは30年春ごろ。宍倉容疑者には会社名義も含めて約1千万円の借金があり、数百万円の借金を抱えていた佐中、金子両容疑者を引き込んだとみられる。

 金子容疑者は「躊(ちゅう)躇(ちょ)したが、社長(宍倉容疑者)に借金もあり断れなかった」と供述しているという。

 宍倉容疑者は30年8月に「会社を継がせたい」と持ちかけ、拓也さんを養子に。同月と10月に宍倉容疑者を受取人とする数十万〜百万円の生命保険を掛けさせ、翌11月には1件目の生命保険の受取人を母親から宍倉容疑者に変更させた。関係者によると、母親は受取人変更を知らなかった。

 そして、3人は事件前夜の今年1月26日、「新年会」と称して拓也さんを呼び出し、千葉市内の焼肉店やキャバクラ店で飲食した後、車で金谷港に移動。翌27日早朝から釣りを始め、水難事故に見せかけて拓也さんを殺害したとみられている。

 しかし、現場は足場が良く、足を滑らせて海に転落したとは考えにくいことなどから県警が捜査。拓也さんに多額の保険金が掛けられていることが判明し、事件が発覚した。

 3人は大筋で容疑を認めているが、誰が拓也さんを突き落としたかなどについては食い違う証言をしており、県警は全容解明に向けて捜査を進めている。

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2019年9月9日 8時1分
産経新聞
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