急行が停まらないが交通利便性が高い

一つ目は、交通利便性の高さだ。
中延(品川区)は東急大井町線と都営浅草線の2路線が乗り入れる。
東急大井町線で大井町からは3駅、都営浅草線で五反田も2駅。JR京浜東北線、山手線への接続が良く、「住みたい街」常連の自由が丘も6駅(10分)だ。

羽田空港や新幹線が停まる品川に近いこともあり、「女性に限らず単身者に人気。物件の数は多くないが、なかなか空き物件がなく、募集をかけるとすぐ埋まってしまう」
と中延駅周辺の不動産仲介業者は話す。調査には自由に記述できる欄も設けられていたが、24歳・正社員(技術・研究職)の女性は
「都心や空港などにアクセスしやすく、話題の施設やデパートがないため混みすぎていない」と回答していた。

一方、中村橋(練馬区)は西武池袋線の駅で、池袋までは6駅(13分)。東京メトロ副都心線に乗り入れており、渋谷まで直通で20〜25分程度。
一駅先の練馬で大江戸線に乗り換えれば、都庁前など西新宿エリアもすぐだ。

キーワードは「商店街」

だが、交通利便性だけであれば、ほかにも当てはまる駅はある。中延、中村橋のもう一つの共通点は、「商店街」だ。

東急大井町線中延駅を降りて改札をくぐり、すぐ前の道を左に折れて1分ほど歩くと、右手にアーケードに覆われた商店街が現れる。
中延商店、通称「なかのぶスキップロード」は全長約330m。
終点は北側に位置する東急池上線荏原中延駅。この商店街は東急大井町線、池上線、都営浅草線の3路線2駅を結んでいるのだ。

商店街を歩くと、コンビニやドラッグストアに混じって、青果店や精肉店など昔ながらの店が目に入る。
中延商店街ではこうした個人店を中心に独自のポイント制度を導入するなど、商店街の活性化に力を入れている

筆者が訪れた土曜日の昼間は、中延駅寄りに位置するパン店に焼きたてのパンを求める人たちが押し寄せていた