毎日新聞 2019年9月14日 11時01分(最終更新 9月14日 11時01分)
停電が続く千葉県では、観光地も打撃を受けている。台風15号による暴風で施設が損壊した上、停電などの影響で交通アクセスも遮断されたためだ。14日に3連休が始まる中、関係者は「何とか早めに復旧してほしい」と願っている。

 温泉や渓流釣り、ハイキングなどが楽しめる県内有数の行楽地・養老渓谷(市原市、大多喜町)。温泉街の中心にある中瀬遊歩道が崖崩れや倒木の影響で通行できなくなった。市原市観光協会によると、全面復旧には半年以上かかる可能性もあるという。

 養老渓谷の目玉である紅葉は昨年も、台風で海水が巻き上げられたことによる塩害で茶色く変色し、落葉する被害があった。既に強風の影響でイチョウの葉が落ちており、ボリューム減も懸念される。近くを走る鉄道の復旧が停電で遅れ、崖崩れで県道が不通となっていることもネックだ。宿泊施設に大きな建物被害などはなく、一部は停電が解消されて観光客の受け入れを再開した。同協会は「遊歩道の復旧を進め、紅葉シーズンまでには仮復旧にこぎ着けたい」としている。

 東京ドイツ村(袖ケ浦市)では、アトラクションの受付小屋が倒壊。10月6日まで営業予定だったウオータースライダーがバラバラになり、これから紅葉の見ごろを迎える約2万株のコキアの一部が流されるなど大きな被害が出た。担当者は「本来なら一番集客を見込める時期なのに」とため息をつく。

 通常営業に戻った施設もある。10日から再開した水族館「鴨川シーワールド」(鴨川市)は強風で看板や施設の一部が壊れたものの、停電の影響はなかった。しかし、入園者数は通常の予想数の半分以下。不通となっていたJR外房線や高速バスは13日に運転を再開した。担当者は「台風の後の初めての週末だが、どれほどのお客さんが来てくれるかは見通せない」と懸念を漏らした。【三股智子】
https://mainichi.jp/articles/20190914/k00/00m/040/089000c
http://t-doitsumura.co.jp/main/wp-content/uploads/42357866_2299289626811488_4313905052348579840_n-1.jpg