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中国代表団、米農家の視察を中止 次官級協議を開催
2019年9月21日 3:38



【ワシントン=鳳山太成】米中両政府は20日、貿易問題を巡る次官級協議の2日目を開いた。中国政府の代表団は来週、西部モンタナ州の農家を視察する予定だったが、中止となった。トランプ大統領がこだわる米農産品の輸入拡大で、議論が難航した可能性がある。10月に予定する閣僚級協議に向けて、両政府の駆け引きが続きそうだ。

19日から2日間にわたってワシントンで開いた次官級協議では農産品の輸入拡大のほか、知的財産侵害など中国の構造問題を話し合ったようだ。対面交渉は7月末に上海で閣僚級協議を開いて以来、2カ月ぶり。

モンタナ州の農業団体によると、中国代表団は23日から25日まで牛肉や穀物の生産地を訪れる予定だったが、帰国を早めなければいけなくなったという。パーデュー米農務長官は19日、中国の視察目的について「友好関係を築くためだろう」と指摘し、米農産品の購入拡大に期待を示していた。

トランプ大統領は20日、中国が農産品輸入を増やし始めたことについて「求めている水準ではない」と記者団に述べ、大量の購入を改めて要求した。中国と暫定合意を検討する可能性に触れていたが、同日は「部分合意ではなく完全な合意を求めている」と語った。

トランプ氏は10月15日に2500億ドル(約27兆円)分の中国製品への制裁関税を予定通り引き上げると改めて言及し、中国に譲歩を促した。