◆ オタクの孤独死、現場に取り残されるペット……「孤独死のミニチュア」を作り続ける遺品整理人に聞く「終活」

「孤独死が誰にとってもひとごとではないことを伝えたい」という思いから、自身が見てきた孤独死の現場を題材にしたミニチュア模型を作っている遺品整理人、小島美羽さん。
2019年8月に出版した初の著書『時が止まった部屋 遺品整理人がミニチュアで伝える孤独死のはなし』(原書房)は、発売後2週間で重版がかかる大反響となりました。

ねとらぼ編集部は、小島さんの働く遺品整理・特殊清掃の会社「遺品整理クリーンサービス」を訪れ、直接お話をうかがいました。
連続インタビュー最終回となる本記事では、孤独死の現場に残されるペットや、オタクが生前やっておくべきことについて考えます。

この企画は全3本の連載記事です。

第1回:【試し読みあり】遺品整理から、日本全体が見えてくる 「孤独死のミニチュア」を作り続ける遺品整理人はなぜこの道を選んだのか?(2019年9月21日公開)

第2回:遺品整理ってどうやって頼めばいいの? 「孤独死のミニチュア」を作り続ける遺品整理人に聞く「現場」の話(2019年9月22日公開)

第3回:オタクの孤独死、現場に取り残されるペット…… 「孤独死のミニチュア」を作り続ける遺品整理人に聞く「終活」(2019年9月23日公開)

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▽オタクの孤独死

――近年まんだらけの生前見積サービスが話題になるなど、オタクの終活に注目が集まっています。小島さんから見たオタクならではの現場の話や、気を付けるべきことがあれば教えていただけますか。

本でも紹介しましたが(※1)、遺品を(売却目的で勝手に)持っていく方がいるんですよ。
これは実際にあったことなのですが、社宅で亡くなった方のお部屋に同僚がみんなで来たんです。
亡くなった方の遺品にはフィギュアがとても多かったのですが、その同僚の方が「これ売ろうぜ」とか、遺族の方もいらっしゃるところで話してるんですよ。

※1……『時が止まった部屋』では、亡くなったオタクの部屋にどこからともなくやってきて故人の友人を名乗り、売却目的でフィギュアやグッズを持っていく正体不明の人物に遭遇したエピソードが紹介されている。

――うわあ……。

結局どんなに信頼していた人でも、遺品を勝手に持っていってしまうことはあるんですよね。
若い方でも生きている間に、これはどこで売ってほしい、誰にあげてほしい、というのをリストにして、パソコンや紙に残したり、家族に話しておくのがいいのかなと。

――突然亡くなることもあるわけですもんね。

そうなんですよね。突然死は30代の方が多いです。
20〜30代の方は自分が亡くなるなんて思っていないので、遺書がない場合がほとんどですからね……。
もう生前に売っておく、というのも一つの手ですけど、それでは宝物を手放すことになるし……。
「この人だったら譲ってもいい!」という人に「きみにあげるよ」と事前に話しておくのがいいかもしれないですね。

――若いうちから備えはしておくに越したことはないですね。私も家に帰ったら、自分の遺品リストを書いてみます!(了)

▽記事内容を一部引用しました。全文はソースでご覧下さい
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190923-00000006-it_nlab-soci&;p=3