【現場から、】10%の暮らし、駄菓子の“おまけ”で苦肉の策

 来月に迫った消費税増税。シリーズでお伝えする「現場から、10%の暮らし」。今回は軽減税率に翻弄される「駄菓子メーカー」についてです。悩んだ末に繰り出した苦肉の策とは?

 大阪市淀川区の「駄菓子屋 協和」。創業61年の老舗です。

Q.何を買ったの?

 「プロ野球チップス。野球習ってて、みんな持ってて欲しかったから」(子ども)

 子どもに人気のプロ野球チップスは、来月からは10%の消費税になります。さらに・・・

 「こちらのラムネは従来のまま消費税が8%ですが、こちらの笛付きのラムネは来月から消費税が10%になります」(記者)

 実は、食品と食品以外のものを1つの商品として販売する場合は「一体資産」と呼ばれ、容器の上に笛が付いている駄菓子は、消費税が10%の対象になるのです。それに頭を悩ませている駄菓子メーカーがあります。

 「弊社の代表的な商品が並んでいます。弊社が得意とするおもちゃ菓子、玩具菓子というのがこちらにあります」(チーリン製菓 福井憲治副社長)

 チーリン製菓は特に、笛が付いた駄菓子に誇りを持っています。

 「(笛付きの)パイポチョコレート、(笛付きの)プチシリーズの4品、これが全部10%対応になる商品です」(チーリン製菓 福井憲治副社長)

 ただ、一体資産の中でも、お菓子以外の値段が3分の1未満であれば、消費税は8%になりますが・・・

 「しょせん30円という低額な商品でやってまして、でも安心安全で、子どものためにけががないように、全て日本製のメイドインジャパンの容器を使っています。その関係で、残念ながらこの低単価のなかで容器代が3分の1以上を占めてしまう」(チーリン製菓 福井憲治副社長)

 “笛付き”だと10%なので、そこで考えたのが、笛の部分にシールを貼って音が鳴らないようにするのです。あくまでも笛ではなく、お菓子を入れる容器なので、一体資産ではないという作戦です。

 「我々が販売する段階で再利用、二次的な利用を想定して作っていないので、おそらく8%ということはできるのではないかと考えています」(チーリン製菓 福井憲治副社長)

 国税庁の指針では、一体資産にあたるかどうかの判断はメーカーに委ねられていて、子どもたちから楽しみを奪わないための苦肉の策だといいます。

Q.このシールをはがしたら吹けるのでは?

 「そこは言われると辛い部分なんですけど・・・。玩具菓子が店頭から消えるようなことだけは避けたいので、このやり方がいいのかどうかはわからないが、法令順守で、きちんとした形でやっていきたい」(チーリン製菓 福井憲治副社長)

※ ソースに動画あります
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3785510.html
23日 11時44分  TBS NEWS