トランプ米大統領が、バイデン前副大統領の息子に関する疑惑を調べるようウクライナ政府に圧力をかけたとされる問題で、野党・民主党のペロシ下院議長は24日、連邦議会で会見し、トランプ氏の行為が弾劾(だんがい)にあたるかどうか正式に調査を始めることを決めた。

大統領への弾劾(だんがい)調査が開始されるのは米国史上4例目。トランプ氏は「魔女狩りだ」と反発しており、来年の大統領選を前に、大統領と野党の対立が激しくなっている。

トランプ氏は今年7月にウクライナのゼレンスキー大統領と電話で話した際、バイデン氏とその息子に関する疑惑について調査するよう迫ったとされる。米メディアによると、米政権の内部告発者が、トランプ氏がゼレンスキー氏に不適切な約束をしたと指摘。米国が保留していたウクライナへの軍事的な支援を、調査の見返りにした疑いも指摘されている。

バイデン氏は副大統領だった2016年、欧米諸国や国際機関が進めたウクライナの腐敗問題への取り組みで、ウクライナの検事総長を解任させようとした。当時、バイデン氏の息子が役員を務めていたウクライナのガス会社が検察の捜査対象になっていたため、トランプ氏側は「バイデン氏が息子を守るために圧力をかけた」と批判を強めている。

ペロシ氏はこの日の会見で、「トランプ大統領の行為は、大統領の就任宣誓や国家の安全保障を裏切る不誠実な実態を浮き彫りにした。本日、下院は正式に弾劾に関する調査を始める」と宣言した。

9/25(水) 7:03
朝日新聞デジタル
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