0001しじみ ★
2019/09/25(水) 23:37:42.32ID:x+W7fANi9火星では、真夜中ちょうどになると磁場が震えることがある。今のところ、原因は不明だ。
この現象を初めて観測したのは、地質調査のため火星へ送り込まれたNASAの探査機「インサイト」だった。2018年11月に火星に着陸して以来、インサイトは上部地殻の熱を測定したり、地震を記録したり、磁場の強さと向きを計測するなどして、火星の内部の様子を探り、星の進化を解き明かすための情報を集めている。(参考記事:「火星の地震を初観測、なぜ起こる?何がわかる?」)
その成果の一部が、9月に開かれた欧州惑星科学会議と米国天文学会の合同学会で発表された。
謎の振動以外にも、インサイトのデータからは、火星の地殻がこれまで考えられていたよりもはるかに強い磁気を帯びていたことや、地下深くに厚さ4キロの導電層が存在していることが明らかになった。現時点でははっきりしたことは言えないが、火星全体に液体の水を含む層があるのかもしれない。もし今の火星にそれほどの水があるのなら、過去にしろ現在にしろ、火星に生命がいる可能性はとても高まりそうだ。
データはまだ専門家による評価を受けていないため、細かい部分や解釈は今後修正されるだろう。だが、インサイトの成果は、火星や銀河系にある他の岩石惑星に関する私たちの理解を大きく変え得ると期待させる発表だった。
■異なる道を進んだ地球と火星
自転する地球の内部では、鉄を豊富に含む液体の「外核」が対流し、それによって発生した磁場が地球全体を覆っている。この磁場ははるか昔から存在し、時折激しく移動することが知られている。
なぜそんなことがわかるかというと、地殻のなかのある鉱物に、過去の磁場の強さと向きが記録されているからだ。同様に、火星の磁場の歴史も地殻のなかに刻まれていることが、1997年に火星周回探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーから送られたデータで明らかになった。
マーズ・グローバル・サーベイヤーが火星の地表から96〜400キロ上空で磁気を検知したところ、その地殻磁場は、地球上の同じ高さから観測した場合と比較して10倍も強かった。つまり、火星もかつては強力な磁場で覆われていたわけだ。
だが地球とは違い、火星の場合は不幸にもおよそ40億年前に外核の対流が動きを止め、磁場が崩壊した。わずかに残った弱い磁場では強力な太陽風を防げず、やがて火星の大気は宇宙空間へと流れ出る。それとともに、生命を宿せる水の豊富な世界が、冷たい砂漠に変わってしまった。
地球と火星、このふたつの惑星がなぜまったく違った運命を歩むようになったかを解明するには、火星に残されたわずかな磁場をできるだけ正確に計測する必要がある。しかし、周回軌道からでは遠すぎて難しい。
米コロラド大学、大気宇宙物理学研究所のデイブ・ブライン氏は、次のように説明する。遠くから人の群れを撮影しようとする。ほとんどが赤いシャツを着ているなかで、ほんの一握りの人が青いシャツを着ていても、遠くのカメラがとらえられるのはほぼ赤色だけである。だが、同じカメラをもっと近づけると、青いシャツも見えてくる。
「磁場の計測に関しても同様です。近くなればなるほど細かい構造がはっきり見えるようになります」とブライン氏。なお氏は今回の研究には参加していない。
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続きはソースで
ナショナルジオグラフィック日本版サイト
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/092500553/