野菜がたくさん積まれた軽トラックに、その脇にいる農家スタイルの男女。一見すると農業をテーマとしたほのぼのポスターだが、なんだかどこかで見たことがある構図のような...。

注目すべきはそのキャッチフレーズ「あおりよりみのり」。これって、もしかして――

そう、このポスターは茨城県守谷市の常磐自動車道で起きた「あおり運転殴打事件」をパロディーしたものだ。

何かを叫んでいるような男性はネギが入ったカゴを担ぎ、「豊作」と書かれた帽子と長靴を着用。女性も農園フードのようなものを被り、ガラケーではなくニンジンを構えている。何も知らない人から見れば、ちょっとワイルドな農作業中の夫婦だ。

このポスターは福島県のJA東西しらかわ農青連中部支部(@JA81497539)のメンバーであるFragolApe(@FragolApe)さんが2019年9月14日にツイッターに投稿。ポスターに対しては、

 「購買意欲を煽ってますねぇ」
 「これは『良いあおり』」
 「ネギ生えた」

といったコメントが寄せられている。

なぜこんなシュールなポスターを作ったのか。Jタウンネットは9月20日、FragolApeさんに話を聞いた。

■主人公は「農村社会において活躍する架空の夫婦」

FragolApeさんによると、これはJA全青協が募集する「JA青年組織手づくり看板全国コンクール」に応募した作品。JA東西しらかわ農青連中部支部でも作品制作が恒例行事となっており、20代〜50代の男性6人で描いたという。

FragolApeさんはこのデザインにした理由について、

 「最近、メディア等であおり運転や危険運転、交通のマナー違反が社会問題となっています。そのため、ドライバーに対する交通安全意識の高揚と啓蒙を、風刺、ブラックユーモアを持って表現してみたかった」

と話す。以前ツイッターで話題になった、中学生が夏休みの課題で描いたというポスターにも影響されたという。(どこかで見たことある... 中学生が描いた『あおり運転防止』ポスターが攻めてると話題に)

この中学生のポスターから着想を得て、野菜や軽トラ、農家ファッションという要素を加えてポスターを制作。題材となっているのはあおり運転殴打事件の2人で間違いないが、このポスターの主人公は、あくまで「農村社会において活躍する架空の夫婦」だ。

ちなみに軽トラに積んである「肉」は、牛の肥育や畜産も盛んな地域であることからそれを表現。ポスターがツイッターで話題になったことについては、

 「正直これ程、反響があるとは想像だにしませんでした。それだけあおり運転、交通安全に対する人々の関心が高いのだろうと実感しました」

と話している。

作品はJA福島県青年連盟に提出。県コンクールの上位2作品は全国コンクールに出品される。

2019年9月26日 6時0分 Jタウンネット
https://news.livedoor.com/article/detail/17138395/

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