9/29(日) 13:03配信
デーリー東北新聞社

 消費税率が10%に引き上げられる10月1日まであとわずか。北奥羽地方の商業施設では駆け込み商戦がラストスパートに入り、冬物用品の前倒し購入や酒類などのまとめ買いに走る消費者の姿が見られる。増税前最後の週末を迎え、日曜日の29日は客足の伸びが見込まれるため、店側は「買い物客のニーズに応えたい」と需要の取り込みを図る。一方、今回の増税では、軽減税率導入やキャッシュレス決済のポイント還元といった景気対策が講じられ、消費者は“損得”を冷静に見極めている向きもある。

 消費税増税が秒読み段階に入った28日。八戸市内のスーパーやショッピングセンター、ドラッグストアなどは多くの買い物客でにぎわい、日用品や消耗品を大量に購入する人もいた。

 市内で4店舗を展開する酒販店「セプドールアン」。アルコール類は軽減税率の適用外で税率が10%に上がるため、売り場にポップを掲げて周知している。

 今月中旬からビールや缶チューハイなどをケースで購入する人が増え始め、店側もまとめ買いや大容量タイプの購入をお勧めする。

 沼館店の田島博美副店長は「今月に入ってからケース販売のコーナーを目立たせ、まとめ買いのお得感をアピールしている。最後の土日に販売が伸びるのではないか」との見方を示す。

 自動車用品を取り扱う「スーパーオートバックス八戸店」では、冬用タイヤの販売が好調。特に21〜23日の3連休は盛況だったという。社会問題化する「あおり運転」対策で注目を集めるドライブレコーダー、カーナビなども売れ行きが伸びている。

 冬用タイヤを買い求める人に紹介する形で、タイヤチェーンや冬用ワイパー、スノーブラシなどの冬季商品を前倒しで投入。十文字秀人店長は「2、3カ月後に必要となる商品を提案するような売り場構成にした。消費者の潜在的なニーズに応えたい」と強調する。

 増税前に冬用タイヤの購入を検討しているという南部町の男性(35)は「タイヤ自体の値上げもあったので、なるべく安いタイミングで買いたい」と話した。

 一方、増税前の需要増が予想されたガソリンや灯油は、2014年4月の前回増税時のような、大きな駆け込み購入の動きは見られない。増税後の消費の冷え込みを防ぐポイント還元制度の効果に加え、燃油は相場を強く意識する消費者が多いためとみられる。

 市内でガソリンスタンドを展開する「八戸燃料」では10月以降、会員カードなどで決済すると2%分がポイント還元されることもあり、担当者は「前回の時ほど消費動向に大きな変化はないだろう」と指摘した。

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