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箱根山(大涌谷周辺)の噴火警戒レベル引き上げで今年5月から製造中止を余儀なくされた大涌谷名物
「黒たまご」の販売が1日、約4か月ぶりに再開された。立ち入り規制の一部緩和で製造が認められ、
約2キロ離れた仮設店舗で販売が始まった。観光客らが早速、列を作って買い求めた。

黒たまごは、奥箱根観光が大涌谷の「玉子池」で製造し、近くの土産物店で販売してきた。
5月19日に噴火警戒レベルが「2」(火口周辺規制)に上がり、立ち入り規制で製造・販売はできなくなった。
同社は同26日、箱根町仙石原に仮設店舗を開設し、他の商品で営業を続けていた。

町は9月19日に規制を一部緩和し、箱根ロープウェイの運転に関する業務と、黒たまごの製造業務については、
火山監視員の帯同などを条件に2時間限定で立ち入りを許可した。

黒たまごは、玉子池で生卵をゆでると、硫化鉄が付着して真っ黒な殻になる。奥箱根観光は、
火山活動の活発化で温泉成分に変わりがないかを確かめながら試作を続け、販売にこぎ着けた。

1日は午前9時15分頃に1200袋分(6000個)の製造を開始。同11時前の販売開始には約30人が列を作った。
小田原市の女性(62)は、「また味わえて、うれしい」と笑顔で話した。奥箱根観光の梁瀬雅之営業部長は
「待ちに待った製造・販売。一日も早くレベルが下がり、再び大涌谷で販売できるようになってほしい」とした。

黒たまごは5個入り1袋500円(税込み)。今後は連日、午前11時頃から販売を始める予定。