https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191002/k10012109021000.html

居眠りで座礁か 79歳船長を書類送検「2週間以上休みなし」
2019年10月2日 12時36分

ことし1月、岡山県沖の瀬戸内海で居眠りをしながら船のかじを取り、およそ350トンの鉄くずを積んだ船を座礁させたとして、海上保安部は79歳の船長を業務上過失往来危険の疑いで書類送検しました。海運会社の人手が足りず、船長は「2週間以上休みがなかった」と話しているということです。

ことし1月23日の未明、岡山県倉敷市沖の瀬戸内海でおよそ350トンの鉄くずを積んだ台船が、この船をえい航していた「引き船」とともに浅瀬に乗り上げ動けなくなりました。

海上保安部によりますと、香川県坂出市の海運会社に所属する79歳の船長は、「2週間以上休みがなかった」と話し、当時居眠りをしていたことを認めたということです。

海上保安部は捜査を進めた結果、船長を業務上過失往来危険の疑いで書類送検しました。

この船長は、去年11月にも居眠りをして座礁事故を起こしたとして罰金30万円の略式命令を受けています。

海上保安部と会社の関係者によりますと、この海運会社は所有する船の数に比べて船長が少ないため人手が足りず、船長の年齢は60代以上がほとんどだということです。

海上保安部は、長時間の勤務が事故につながった可能性があるとみて、海運会社を捜索するなど調べを進めましたが、詳しい勤務記録が残っていないことなどから会社側の立件は難しいと判断しました。

海運会社はNHKの取材に対して「コメントは控えたい」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191002/K10012109021_1910021319_1910021326_01_02.jpg