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2019/10/07(月) 15:33:05.35ID:sILaWZYQ9気候変動の影響はいたるところで表れ始めている。上昇する海水温。崩落する氷床。それが国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最新レポート「海洋と雪氷圏の気候変動に関する特別報告書(SROCC)」が明らかにした現実だ。
■9月25日に公開された900ページに及ぶレポート
ヨーロッパアルプスの最高峰モンブランのイタリア側にあるプランパンシュー氷河は、いつ崩壊が始まってもおかしくない状態にある。このため道路は閉鎖され、近隣の施設には退去命令が出された。
海では漁場が移動して漁獲が落ち込んだところが増え、数万ドル規模の漁業ビジネスから個人操業の漁師までを圧迫している。海洋熱波の発生回数は、わずか30年前と比べて2倍に増加した。地球の人口の27%が住む沿岸地域は、海面上昇と巨大化した嵐の脅威にさらされている。
そして「世界の給水塔」である高山の氷河や氷原に依存する多くの人々は、ひどくなる一方の洪水や干ばつに苦しめられている。
各国が温室効果ガスの排出を抑えるために直ちに対策を講じなければ、状況は悪化するばかりだ。
■パリ協定はすでに時代遅れ?
今のままでは、今世紀末までに地球の平均気温は3.5℃以上上昇するという。
■台風は強力になり、サンゴは死に、魚は減る
並行して、短期間に海表面の水温が跳ね上がる海洋熱波の発生回数は2倍に増加し、そこにすむ海洋生物に強いストレスを与えている。
暖かい海はハリケーンや台風を強大にし、嵐の雨量を増大させる。だが、人間には見えない影響もある。海表面が温まると、海水は軽くなり、その下にある冷たくて栄養に富んだ海水と混じりにくくなる。すると海面近くの水の動きが鈍くなり、酸素の量が減り、海洋生物に必要な栄養が不足する。
また、海水に取り込まれる二酸化炭素が増えて酸性化が進み、微小なプランクトンからカキ、巨大なサンゴ礁に至るまで、酸に弱い炭酸カルシウムで殻を形成する生き物に負荷がかかる。
2100年までに70〜90%のサンゴ礁が崩壊すると予測されている。2℃上昇すれば、その数字は99%以上に跳ね上がる。サンゴ礁は、沿岸の町を襲う嵐の威力を弱め、波を静める効果がある。また、人間の食物となる魚の繁殖を助け、観光業や沿岸文化を支えているからだ。
海水温の上昇で、多くの海洋生物は冷たい海水を求めて極地方向へ移動を始めており、漁業にも影響が現れている。
「証拠はもう山ほどあります。何十年にわたる観測の結果、気候変動は本当に多くの種に影響を与えていると自信をもっていまは言えます」と、カナダ、マギル大学の海洋生物学者であるジェニファー・サンデー氏は言う。
■もしも西南極の氷床の融解が始まったら…
海面上昇のカギを握る西南極の氷床
温暖化の影響は海だけでなく、高山から極地の氷冠まで、地球のすべての氷にも及んでいる。最新レポートによれば、アンデスやヒマラヤといった高山地域では、数十年前と比較して氷河が後退する速度が約30%速まっている。
世界の氷の貯蔵庫であるグリーンランドと南極の氷の融解も主な原因になっている。現在、海面は年間で約3.6ミリ上昇しているが、その半分以上は氷床の融解によるものだという。
今世紀末までに氷床の融解水は11〜55センチの海面上昇を引き起こす。南極が重要な臨界点を超えてしまえば、数字はさらに跳ね上がるだろうと指摘している。
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https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/100200569/?ST=m_news
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この研究で想定された将来の気候パターンは520万通り。2100年までに世界の平均気温の上昇を2℃未満にとどめるには、2030年までに世界中のすべての国で二酸化炭素の排出量をゼロにしなければならないという。2℃という目標は、海面上昇や猛暑といった、最悪の気候変動を避けるために、国連が定めたものだ。
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/031900171/?ST=m_news
ノルウェー、スバールバル諸島北東島の氷冠から滝のように流れ出る融解水。北極圏は、地球のどこよりも温暖化の進行が速く、氷が急速に解け出している。(PHOTOGRAPH BY PAUL NICKLEN, SEALEGACY)
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