子犬を背負い、うつむきがちに1人たたずむ子ども。京都府南部で336人の死者・行方不明者を出した1953(昭和28)年8月の南山城水害から3カ月後、中和束村(現・京都府和束町)で撮影された写真がある。「水害の縮図」とも言われたこの1枚に写る子どもや、町内での水害の状況について、和束町の町史編さん室が情報を募っている。

写真を掲載した1959年出版の「南山城水害写真集」(京都通信社)によると、子どもは「マーちゃん」と呼ばれ、水害で一家5人を亡くした。「一人ボッチで今日もポチをおんぶして遊んでいるが、マーちゃんは時々お母ちゃん、お父ちゃんと口にする。明るい笑顔を見せてくれる日は、いつのことだろう」との記述が添えられている。

寂しげな表情が印象的な1枚について、写真集の編集記では「マーちゃんは今、どんな生活をしているだろうと、だれしも思いうかべる。ある人はこの写真をみて水害の『縮図』といった」と記している。

南山城水害では河川の氾濫などで一瞬にして多くの命が奪われ、和束町でも死者58人、行方不明者54人に上ったとされる。同町では2017年度から10年計画で町史編さん事業が始まっている。地域に甚大な被害をもたらした水害の歴史を刻むため、町史編さん室が、当時の様子を記憶にとどめている人や伝え聞いている人からの情報を求めている。

同室は「町の歴史上でも大きな水害だった。何か知っていることがあれば教えてほしい」としている。和束町町史編さん室※電話番号はソース先でご確認ください

10/7(月) 20:33
京都新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191007-00129127-kyt-l26
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20191007-00129127-kyt-000-view.jpg