マラソン 人類初の2時間切り キプチョゲ 1時間59分40秒
NHK 2019年10月12日 20時47分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191012/k10012126501000.html

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フルマラソンで人類初の2時間切り達成です。
オリンピックの金メダリスト、ケニアのキプチョゲ選手がオーストリアのウィーンで40人余りのペースメーカーの力を借りる特別な環境のもとで2時間切りに挑戦し、1時間59分40秒でゴールしました。

記録に挑戦したのは前回のリオデジャネイロオリンピックの男子マラソンで金メダルを獲得し、世界記録保持者でもあるケニアのエリウド・キプチョゲ選手です。

「人類には不可能」とも言われてきた2時間切りにこれまでも挑んできました。

会場は直線が多く勾配が少ないことなどからタイムが出やすいとされる、オーストリアのウィーンに設定され、キプチョゲ選手は朝の8時15分にスタートしました。

今回は日本の村山紘太選手を含む41人がペースメーカーとしてサポートする特別な環境のもとで行われ、キプチョゲ選手は序盤から1キロ2分50秒前後という驚異的なペースで走り続けました。

沿道には地元ウィーンの人たちや母国ケニアなど世界中のマラソンファンが駆けつけて大きな声援を送り、初の2時間切りへの期待が高まりました。

地元の男性は「世界一の選手だと思う。彼の力強い走りや精神力を見ていれば、達成できると信じています」と話していました。

その結果、キプチョゲ選手は最後までペースを落とさずゴールを駆け抜け、1時間59分40秒と初めて「2時間の壁」を破りました。

今回のタイムは公認記録にはなりませんが、キプチョゲ選手は記者会見で「快適に走ることができた。ゴールの直前は人生で最高の瞬間だった。
人間には限界がないというメッセージを伝えられたと思う」と喜びを語りました。

●ペースメーカー 村山紘太「記録出ると感じていた」

今回の挑戦にペースメーカーとして参加した村山紘太選手は日本の男子1万mの記録保持者で、キプチョゲ選手とおよそ5キロの距離を一緒に走りました。

村山選手はNHKのインタビューに「任せられた区間をしっかりと走ることができてほっとした。
レースに向けて、キプチョゲ選手と話をする中で、記録が出るんじゃないかと感じていたので、達成してよかった思う。
レベルが高い記録で、この記録が出たことに驚いている。来年は東京オリンピックもあるので、自分も得意種目の1万mで代表を目指し、頑張りたいです」と話していました。