https://www.cnn.co.jp/usa/35144121.html


米国人受賞者の3分の1は移民出身、ノーベル賞理系部門
2019.10.17 Thu posted at 17:55 JST


(CNN) 米国の非営利機関「米国政策基金」は17日までに、ノーベル賞の化学賞、医学生理学賞や物理学賞を2000年以降に受賞した米国人のうち38%が移民との出自を持つと発表した。

1901年以降の比率では35%だった。

今年のノーベル賞受賞者をみた場合、経済学賞ではいずれも米マサチューセッツ工科大教授のフランス出身のエスター・デュフロ氏とインド出身のアビジット・バナジー氏が選ばれた。

化学賞では、英国出身の米ニューヨーク州立大ビンガムトン校のスタンリー・ウィッティンガム教授が、物理学賞ではカナダに生まれた米プリンストン大のジェームズ・ピーブルス教授が受賞した。

同基金は報告書の中で「これらの実績は米国が世界各地から才能ある人材を歓迎して得られている恩恵を物語っている」と指摘。「米国はノーベル賞受賞者のみを歓迎すべきだということを意味してはいない」とし、そのような政策は極めて限定的な効果しかもたらさないとも説いた。

今回の報告内容を米フォーブス誌へのコラムの中で明かした同基金幹部は米国への移民規制が強まる中で、移民出身のノーベル賞受賞者が目立つ傾向が今後も維持されるのは不透明と指摘。「移民出身者はこれからも科学分野でノーベル賞を獲得し続けるだろう」としながらも、「彼らが米国にいてこの栄誉を勝ち取ることはないかもしれない」とも警告した。