0001靄々 ★
2019/10/25(金) 01:07:42.33ID:0qa6qjzw9就職活動で学生に有利な「売り手市場」が続く中、警視庁は警察業務に関心を持ってもらうため、採用説明会などで事件捜査の「体感ゲーム」を導入した。採用試験の受験者は減少傾向にあり、職種でも刑事より地域の安全を守る交番勤務などへの志向が高まっているという。警視庁はゲームを介して、学生らに第一線の捜査活動の重要性について理解してもらい、犯人の摘発が被害者の安心につながるという刑事警察の意義を伝える考えだ。
東京都千代田区で今夏に開催された警視庁の採用説明会「1DAYインターンシップ」で目玉となったのは、架空の地区「大江戸エリア」を管轄する大江戸署を舞台にした「警視庁警察官仕事体感ゲーム」だった。
ゲームにはトラブルの解決や事件発生から犯人を特定する過程が盛り込まれ、参加した計約540人の学生らは若手警察官の指導を受けつつ、住民らの証言が書き込まれた地図と資料を基に現職警察官さながらの「捜査」を経験した。
ゲームは2部構成で、前半は交番に勤務する若手警察官の業務を想定。メインとなる後半は、警察署の刑事組織犯罪対策課に配属され、刑事として働き始めたという設定になっている。「新米刑事」となった参加者には、多国籍窃盗集団による連続窃盗事件の容疑者を特定しアジトを突き止め、組織の「ボス」を逮捕するという任務が課される。
警視庁の採用担当者はゲーム開発の経緯について、「刑事の魅力を伝えるには、事件現場の状況や盗みの手口、遺留物などを基に、容疑者の特定と組織の解明を目指すという捜査の流れを理解してもらうのが、最も効果的と考えた」と話す。
警視庁が採用活動で「楽しみながら魅力を感じてもらう」(担当者)というゲームを導入した背景には、近年の受験者数の減少がある。
採用予定人数自体は2千人規模で推移し、大きな変化はないものの、都内の試験では約3万人だった平成22年度をピークに右肩下がりとなっており、30年度は1万5120人にまで減少。合格倍率も22年度は12・5倍だったが、26年度以降は6倍前後まで低下している。
同庁の担当者は「優秀な人材を集めるという意味で受験者の減少を問題視している。倍率も何とか食い止めている状態だ」と説明する。
さらに、警察内部では受験者全体の減少に加えて、刑事を目指す学生も減っていると指摘する声が上がっている。県警本部長経験がある警察キャリアは「地域や住民に寄り添うことで、人々の役に立ちたいという考えを持つ若手が確実に増えている」と話す。
警視庁が今年5月の採用試験受験者約7千人(大卒程度)を対象に実施した「警察官としてやってみたい仕事」を尋ねるアンケート(複数回答可)では、男性は「交番勤務」、女性は「子ども・女性安全対策(さくらポリス)」が最多。殺人などの「強行犯捜査」は男性で3番目、女性で4番目にとどまった。
ある捜査幹部は、刑法犯認知件数が年々減少し、治安が向上していることも、学生や若手警察官の意識変化につながっている可能性もあるとの見方を示す。この幹部は「交番などで身近な存在として頼られる警察官は必要だ。ただ、刑事志望者が減ることで将来的に捜査力の低下につながる恐れがある。導入したゲームなどを通じて、刑事のやりがいを伝えていくことは不可欠だ」と話した。(吉原実)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191024-00000620-san-soci
10/24(木) 22:08配信 産経新聞