小雨の中、迷子の3歳女児を救った 母と娘が連係プレー
2019年10月26日06時31分
https://www.asahi.com/articles/ASMB44CDXMB4UHNB009.html?iref=comtop_8_06

 迷子になり、片側2車線の県道で泣いていた3歳の女児を、女子中学生とその母親が助けた。幼い命を危険から守った親子の連係プレーに、群馬県警藤岡署から感謝状が贈られた。
 女児を保護したのは、藤岡東中3年の植田冴華さん(15)と母親の瑠美さん(38)。9月18日午後4時45分ごろ、藤岡市中栗須へ車で買い物に向かう途中だった。小雨の中を傘もささず、「ママ!」と泣きじゃくりながら歩道を1人で走っている女児を見つけた。
 瑠美さんが近くの駐車場へ車を止め、冴華さんに言った。「ちょっと走って見てきて!」。冴華さんが急いで見に行くと、道路を渡ろうとしていた女児を、通りすがりの女性が歩道へ連れ戻してくれたところだった。「大丈夫だよ」。冴華さんが女の子を抱きかかえ、瑠美さんが110番。女児はパトカーで藤岡署に向かう間、冴華さんにしがみついていたという。
 女児は無事に署で母親に引き渡された。ほかの弟や妹を自宅の駐車場で車に乗せるため、母親が少し目を離した隙にいなくなってしまったようだった。
 今月4日に感謝状を受け取った植田さん親子は「協力してなんとか助けられるかなと思えた」と口をそろえた。藤岡署の兵藤義之署長は「警察官として『私たちも頑張らなくては』とエネルギーをもらいました」とたたえた。(松田果穂)