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千葉県では25日の大雨の影響で、各地で死者や行方不明者が相次いだ。

長南町では80代の男性が側溝で倒れているのが見つかり、死亡が確認された。

「危ない! 行っちゃダメ!」。現場近くに住む女性(85)は25日午前9時ごろ、冠水し始めた農道を進む、
男性が乗っていたとみられる軽トラックに向かって大声を上げ、必死に手を振った。
だが、猛烈にたたきつける雨で視界は悪く、声もかき消された。軽トラックはタイヤが水につかるほどの場所で停止。
助けたかったが、水の中を歩くこともできず、119番通報した。1時間後にはトラックの荷台が水につかり始めた。

現場を目撃した近くの男性(80)は、「たった2、3時間のできごと。すごい雨だったが、
(運転手は)避難してくれたと思っていたんだけど」と悔やむ。

長柄町では水没した軽乗用車の中から80代の男性が見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。

「あっという間に海みたいになった」。近くの建設会社の社長渡辺良次さん(42)は振り返った。
25日正午ごろに近くの一宮川が氾濫(はんらん)し始め、2時間後には乗用車が冠水するほどまで水位が上昇。
外に出られなくなり、会社の2階に避難した。

水が引き始めた午後7時ごろ、消防隊員が冠水していた軽乗用車のドアを開けているのが見えた。
「まさか、こんな近くで人が助けを求めていたとは思わなかった。気づけたら助けられたかもしれないのに」と肩を落とした。


亡くなった男性が乗っていたとみられる軽トラックは、荷台に枯れ枝がたまり、天井近くまで水が来た跡が残っていた
=2019年10月26日午前9時6分、千葉県長南町千手堂
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