ゲノム編集という最新の技術を使って、卵を産めないように遺伝子を操作した外来魚の「ブルーギル」を作りだすことに国の水産研究・教育機構の研究グループが成功しました。ブルーギルは外来魚として各地で問題を引き起こしていて、将来的に湖などに放すことで駆除できる可能性があるとしています。

ブルーギルは北米原産の淡水魚で、昭和30年代に日本に持ち込まれました。各地で繁殖して在来の魚を捕食して生態系に大きな影響を与えるなどしたため、捕獲する取り組みが行われているものの、効果が小さく問題となっています。

三重県にある国立研究開発法人水産研究・教育機構の岡本裕之グループ長らの研究グループは、ゲノム編集と呼ばれる最新の技術を使って、遺伝子を操作したオスのブルーギルを作り出しました。

このオスの子孫は、メスに卵ができにくくなるよう遺伝子が操作がされていて、世代を重ねるほど卵を産めないメスが増えてブルーギルを減らすことができるとしています。

ゲノム編集を使って新たな品種を作り出す取り組みは近年、急速に進んでいますが、環境省によりますと、外来種の駆除にゲノム編集の技術を使おうという研究は国内では初めてではないかとしています。

水産研究・教育機構増養殖研究所の岡本裕之グループ長は「環境への影響など十分に配慮しながら社会の理解も得て実施できるように進めていきたい」と話していました。

2019年10月27日 5時39分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191027/k10012151921000.html?utm_int=all_side_ranking-social_004
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191027/K10012151921_1910270512_1910270539_01_03.jpg