https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191107/k10012167171000.html


「オーダー!」の英下院前議長 離脱は「最大の外交失敗」
2019年11月7日 0時35分英 EU離脱

先月までイギリス議会下院の議長を務め、独特の言い回しで議事を仕切ることで知られたジョン・バーコウ氏がメディアの取材に応じ、EU=ヨーロッパ連合からの離脱について「イギリス外交の戦後最大の失敗だ」などとみずからの見解を述べました。

保守党の議員だったジョン・バーコウ氏は、先月末に辞任するまで10年間にわたってイギリス議会下院の議長を務め、「静粛に」を意味する「オーダー!」という独特の言い回しで議事を仕切り、その名が広く知られるようになりました。

バーコウ氏は来月行われる総選挙にも立候補しないことを明らかにしていて、6日、ロンドンの外国特派員協会で辞任後初めてメディアの取材に応じました。

バーコウ氏は、イギリスの外交政策上、離脱がもたらす影響について問われたのに対し「離脱は戦後最大の外交上の失敗だ。われわれは強力な経済同盟に属していて、個人的には今のままがいいと思っている。投資にも悪影響だし、国際社会におけるイギリスの立場にもよくないと思う」と述べました。

そして、離脱のプロセスは始まったばかりで、社会を大きく分断する離脱の議論は今後5年から15年は続くだろうという見方を示しました。

会見後、バーコウ氏はNHKの取材に対し「議会や政府、国が、離脱によって何らかの結論を出すことができるのか保証はなく、総選挙で有権者が離脱についてどう判断するのか超能力でもないかぎりわからない」と述べ、離脱をめぐる混乱は長く尾を引くことになるとの考えを示しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191107/K10012167171_1911070034_1911070035_01_02.jpg