2019/11/8 6:00
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福岡市・天神の博多大丸が、高齢者の運転免許返納を支援する新規事業を始めることが分かった。
「運転卒業式」を用意するほか、来店時の特典や商品無料宅配などのサービスを打ち出し、2020年度の事業開始を目指す。
親会社のJ・フロントリテイリング(東京)が、企業の社会的責任を重視する経営を進める中で、博多大丸で事業化に乗り出す方針を固めた。
事業が順調なら、全国の他の百貨店での展開も検討する。
計画では、免許を返納する高齢者を募り、天神のパサージュ広場でこれまでの運転を家族らとねぎらう「卒業式」(有料)を開催。
商品の無料宅配や購入した総菜の増量、ソフトドリンクの無料提供など特典のほか、地元企業と連携し公共交通機関利用を後押しするサービスも検討している。
20年度は60人、21年度は100人の免許返納者を目標に掲げるという。
高齢者の運転を巡っては、アクセルとブレーキの操作ミスなどによる重大事故の続発が社会問題になっている。
警察庁の統計によると、65歳以上のドライバーの免許返納は18年は過去最多の40万6517件に上ったが、
17年からの増加率は0・4%にとどまり、高齢化が進む中で免許返納をどう促すかが課題となっている。