ネットのトラブルで恨み 被告「間違いありません」 福岡・IT講師殺害初公判
11/11(月) 10:52配信

福岡市で昨年6月、IT関連セミナーの講師を刺殺したとして、
殺人などの罪に問われた同市東区の無職、松本英光被告(43)は11日、
福岡地裁(岡崎忠之裁判長)の裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。
インターネット上のトラブルが原因で面識のない相手に恨みを募らせ、殺人にまで発展したとされる今回の事件。
被告側は責任能力について争う姿勢を示しており、公判で動機の解明がどこまで進むかが注目される。

起訴状によると、松本被告は昨年6月24日午後8時ごろ、
講師として同市中央区にある市の起業支援施設(旧大名小学校)を訪れていた
岡本顕一郎さん(当時41歳)の首や胸などをレンジャーナイフで多数回突き刺し、
殺害したなどとされる。岡本さんはセミナー終了後、施設内のトイレに入ったところで襲われた。

一方、起訴内容を認めた被告同様、弁護側も「公訴事実は争わない」とした上で、
「心神耗弱」と「自首」を理由に刑の減軽を求めた。

岡本さんはネット上で「Hagex(ハゲックス)」というハンドルネームを名乗る人気ブロガーで、
ネットの炎上発言などを監視する「ネットウオッチャー」としても知られた存在だった。
東京都内のサイバーセキュリティーコンサルタント会社に勤務し、
匿名化ソフトを使ってアクセスする「ダークウェブ」など最新のサイバー犯罪にも精通していた。

松本被告と岡本さんは面識がなく、ネット空間が唯一の接点だった。
松本被告とされる人物は、掲示板で他のネットユーザーを「低能」などと頻繁に中傷していたことから、
他のユーザーから皮肉を込めて「低能先生」と名付けられていた。
一方、岡本さんは「低能先生」による目に余る誹謗(ひぼう)中傷があった際に、
掲示板の運営会社に通報してアカウントを凍結させ、「低能先生」が投稿できないようにさせていた。

事件の直後、ネットの匿名の掲示板には、松本被告によるとみられる
「ネット弁慶(ネット上だけで強気な発言を繰り返すこと)卒業してきたぞ」
「俺を『低能先生です』の一言でゲラゲラ笑いながら通報&封殺してきたお前らへの返答だ」などの投稿があった。
また「これから近所の交番に自首し責任を取る」との書き込みもあった。
松本被告は事件の約3時間後に福岡市内の交番に出頭した。【宗岡敬介、浅野孝仁】

11/11(月) 10:52配信 毎日新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191111-00000014-mai-soci

Hagexさん刺殺事件、初公判で被告が起訴内容認める
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191111-00000012-asahi-soci