内閣府が呼びかけている女性に対する暴力根絶を目的とした運動「パープルリボンキャンペーン」。神戸市のユニークな取り組みが話題を呼んでいます。その狙いを聞きました。

Reona Hisamatsu 久松 怜央奈 BuzzFeed News Intern, Japan
2019/11/11 2:43:40 GMT
ある女子トイレに設置されたトイレットペーパーが、Twitterで話題を呼んでいます。


神戸市こども家庭局家庭支援課 提供
書かれているのは、こんな言葉。
「ゴメン、殴ったんは愛情の裏返し。」なんてあり得ない。
いつもメールをチェックされる。そんなのしんどくない?
彼といるとビクビクする 本当にそれって『愛』なのかな。
夫の暴力がこわい 彼の罵声がこわい ビクビクしながら暮らしてます。
それって、DVじゃありませんか?

これは、DVの相談窓口を啓発するためのものなんです。

これは、神戸市のこども家庭局家庭支援課が作成したもの。4種類のキャッチコピーとともに、相談ダイヤルが掲載されています。

神戸市の担当者は、BuzzFeed Newsの取材にこう語ります。

「DV被害者の中には、自分が受けているのはDVだと自覚しないまま、我慢して苦しんでいる方がいます。そんな方に気づいてもらい、専門機関に相談する勇気を持ってもらいたいという想いを込めています」


でも、どうしてトイレで啓発を?


時事通信
このトイレットペーパーが作られるようになったのは、2017年度から。
「トイレの個室という加害者の目の届かないところで広報啓発を行うことを目的として、DV防止啓発のためのトイレットペーパーの設置を始めました」
文言も、DV支援者とともに考えているといいます。
「県内でDV被害者支援活動をしている民間支援団体からコピー原案を出してもらい、神戸市担当者と有識者で構成する検討会で選定しました」
内閣府が呼びかけている女性に対する暴力根絶を目的とした運動「パープルリボンキャンペーン」(毎年11月11日〜11月25日)に合わせ、市内の商業施設などに設置しているといいます。
もしかして、と思ったら。



内閣府男女共同参画局よると、配偶者暴力相談支援センターへの相談件数はここ数年、10万件を超えています。

(対象は市内在住者のみ。市外の方はこちらへ)
今回のキャンペーンは女性が対象ですが、内閣府によると、男性が被害の相談をするケースは2018年度に2045件もありました。
神戸市の担当者もそうした被害について認識していると語ります。ただ、市には男性のDV相談窓口はないため、相談があった場合には兵庫県の相談ダイヤルを案内しているといいます。

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