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観光客のエサでウサギ激増 “癒しの島”に異変
[2019/11/13 20:01]


 広島県の大久野島。そこかしこにたくさんのウサギがいる「癒しの島」として人気ですが、ウサギに様々な異変が起きています。

 一体、誰がこのような生き物を設計したのでしょうか。長い耳に、つぶらな瞳、ちょこんとした鼻。甘え上手で人を疑わず、島の訪問者を出迎える人懐こさ。この世の可愛いを集めて濃縮したような存在、それがウサギです。
 ところが、ウサギの島として知られる大久野島で彼らのイメージを覆す事態が確認されています。ちぎれた耳に傷付いた目。どうやら背景には我々人間の関与があるようなのです。

 実はこの島、戦時中は毒ガスが製造されていた毒ガスの島。機密保持のため地図からその存在が消された島でした。戦後は国民休暇村として整備され、やがて野生化したウサギが観光の目玉になりました。しかし、この可愛いが災いしました。

 観光客が持ち込む過剰な餌(えさ)によって2006年には300羽ほどだったウサギが現在は1000羽に激増。ウサギは寂しいと死ぬという話はどこにいったのか…。すさまじい繁殖力を有し、実は気性も荒い。そんな一面があらわになっています。
 可愛さを求める人間の欲望が皮肉にもウサギを可愛さから遠ざけています。