https://www.cnn.co.jp/fringe/35145400.html


「追伸。牛乳少しもらいました」、消防隊が守った家にメモ残す オーストラリア
2019.11.14 Thu posted at 14:00 JST


(CNN) 数十年ぶりといわれる大規模な森林火災が続くオーストラリア。消防隊が懸命な消火活動に当たりながら、それでもマナーを忘れていないことを印象付ける出来事があった。

ニューサウスウェールズ州に住むポール・セクファイさんの自宅は、火災で損傷したものの、消防隊のおかげで焼失は免れた。

自宅に戻ったセクファイさんは、家の中にウルンガ消防局のメモ書きが残されているのを発見した。

「あなたの家を守ることができてうれしく思います。納屋を守れなかったのは残念です」「追伸。牛乳の借りができました」

メモを残したのは、同州マックスビル近郊の火災現場へ出動した消防隊の一員、ケイル・ハーディーポーターさんだった。

ハーディーポーターさんは、この時の火災を「恐ろしい状況」だったと振り返る。消防隊は、「想像を絶する煙と熱」の中で、1軒の民家を守ろうとした。

納屋2棟は猛火に包まれて焼失し、消防隊は次の判断を迫られていた。家を守り切れるかどうか分からない状況の中で、消防隊は冷蔵庫を開け、牛乳を手に取った。この日は昼ごろから何も飲食していなかった。

森林火災が過ぎ去ったのを見届けると、消防隊は同地から撤収した。ハーディーポーターさんは、この家が焼失を免れて住人が戻ってきた時のことを考えて、メモ書きを残すことにした。

自宅に戻ったセクファイさんが、この手紙に心を打たれ、インターネットに写真を掲載した。

消防隊はチーズとピーナツバターも食べていったが、そんなことは問題ではないとセクフィさん。「牛乳の代金なんていらない。ビールをケースで届けたい」と話している。


https://www.cnn.co.jp/storage/2019/11/14/ca3e6418bd8ea496322988defac6cee9/t/768/432/d/urunga-rfs-milk-note-super-169.jpg