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エボラ出血熱 初めてワクチン開発 接種へ WHO
2019年11月16日 4時30分

エボラ出血熱のワクチンについてWHO=世界保健機関は安全性や効果が基準を満たし、今後、感染の危険がある国々で接種が進められることになると発表しました。ワクチンが開発されたのは初めてで、専門家は「エボラ出血熱への対抗手段が得られた意義は大きい」としています。


エボラ出血熱は、患者の血液や体液に接触することで感染し、致死率が25%以上と高いウイルス性の感染症で、アフリカ中部のコンゴ民主共和国では、去年8月以降、2000人以上が死亡し、WHOは「公衆衛生上の緊急事態」を宣言しています。

WHOなどによりますと、アメリカの製薬会社が開発中の、ウイルスを弱毒化したワクチンをおよそ1万6000人に接種した結果、安全性に問題はなく、感染を防ぐ効果を示したということです。


これを受けて、ヨーロッパの規制当局は今週、ワクチンを承認し、WHOも安全性や効果が基準を満たしたとして、今後、感染の危険がある国々で接種が進められることになると発表しました。

ワクチンが開発されたのは初めてで、WHOのテドロス事務局長は「エボラ出血熱はいまや、予防や治療が可能になってきている」とコメントしています。

国立感染症研究所ウイルス第一部の西條政幸部長は「対抗手段が得られた意義は大きい。今後は、備蓄を進めるなど、速やかに接種できる体制を整える必要がある」と話しています。