策士策に溺れた菅官房長官 小池都知事に吹く「再選当確」の追い風
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 小池氏はさぞかし失意のどん底にあるかと思いきや、然に非ず。「今回のIOCの決定に内心、高笑いが止まらないようです」と明かすのは都議会関係者だ。

 というのも、IOCに対し徹底抗戦の姿勢を猛アピールしたことにより、都民の小池評価が高まったからである。

 IOCから相談を受けた大会組織委員会の森喜朗会長は小池都知事と犬猿の仲。これまで五輪会場、経費負担問題等で両者は再三激突している。
森氏にすれば、天敵の小池都知事を外して事を進める方向で動き始めた形跡の他にも大きな思惑があったという。

「IOCから最初に話を持ち込まれた森氏は、IOCの決定には逆らえないことを熟知していた。同時に、IOCの絶大な権限を利用したと、もっぱらです。
つまり、積極的ではないにしろ五輪の華であるマラソンを東京以外の都市に変更することで、小池都知事を混乱させる…。指導力、政治力のなさを都民にみせつけ、来年の都知事選を有利に運びたい腹もあったはず。
でなければ、組織委員会が打診を受けてから都知事に報告するまで空白の約1週間の説明がつかない。外堀を完全に埋めたうえで、IOCの決定事項を最後に小池都知事に通知したのでしょう」(都議会関係者)

 まず外堀は安倍首相、菅官房長官、橋本聖子五輪担当相、北海道と札幌市…。次々と了承を取り付けたうえで、IOCの札幌開催発表(10月16日)前日に小池都知事へ知らせたという。

「ことさら、外堀りを埋めるのに大きな役割を果たしたとされる人物が、菅官房長官です」(自民党関係者)

「札幌への会場変更話がIOCから持ち込まれると、菅氏は森氏同様、小池潰しの最大チャンスと捉えた節がある。IOC案に賛成し、自分が担ぎ出し当選させた鈴木直道・北海道知事に全面支援OKの返事を水面下で取り付けたのです」(同)

 しかし、小池氏は2人の想像を上回る反撃に出た。

「機を見るに敏な小池氏は、森氏と官邸の梯子外しを再選への千載一遇のチャンスと捉えた。IOC、大会組織委員会、官邸は抵抗勢力。巨大権力に徹底抗戦を仕掛ければ、悲劇のヒロインのイメージを高められ再選確実と即座に読んだのです。
案の定、小池氏の孤軍奮闘する姿に、都に寄せられた都民の声の9割は札幌移転反対。毎日新聞の全国調査でも、移転を『支持しない』が47%、支持が35%。逆に小池氏をないがしろにした森叩きも一挙に盛り上がる始末です」