2019.11.15
「桜を見る会」
 多くの専門家は、「有権者に対する買収にあたる」と指摘する。これだけで安倍政権は大ピンチとなるはずである。官僚の忖度などではなく、安倍事務所が直接かかわっているからだ。
だが、これで驚いてはいけない。事務所がかかわったどころか、安倍首相自身が暴力団関係者と直接対面して、選挙妨害工作の後処理について交渉をしていたことが明らかになったのである。確認書類などの証拠書類も存在するため、逃れることはできないだろう。

 その事件とは、インターネット上では「ケチって火炎瓶」とも呼ばれる選挙妨害事件だ。これこそ野党が追及すべき重大事件ではないのか。

暴力団関係者と交わした3通の確認書類
 話は1999年にさかのぼる。安倍首相が衆議院議員になって2期目の同年4月の山口県下関市長選で事件は起きた。

 安倍陣営の江島潔候補(現参議院議員)を応援するため、建設会社会長の小山佐市氏が、対立候補の古賀敬章氏に対する誹謗中傷ビラを撒いた。これについて小山氏は、安倍首相の竹田力筆頭秘書(元山口県警警視、故人)や、佐伯伸之秘書(元菊川町議会議員、故人)から中傷ビラ配布を頼まれたと主張している。

 そもそもなぜ、2期目だった安倍氏の陣営が、下関市長選で古賀氏を落選させる必要があるのか。片や国会議員、片や地方都市の市長を目指す人物だ。

 実は古賀氏は93年の衆院選で、新生党から出馬し初当選。しかし、再選を目指した96年の衆議院選では新進党から出馬し、安倍氏に負けて落選している。

 現在の小選挙区制が導入された最初の選挙であり、1人しか当選でない激戦になったのである。

 古賀氏が山口4区という山口県最大の大得票田である下関市長に当選すれば、かなりの力をつける。首長の権限は強く、当選して基盤を固めた古賀氏が再び衆院選に挑戦すると、安倍氏にとっては手強いライバルになる。

99年の下関市長選には、このような背景があったのである。そして、安倍陣営が推す江島氏が当選した。

 ところが、せっかく対立候補を落選させたのに、“見返り”がなかったことから小山氏は安倍事務所と交渉した。その結果が、以下の文書類に記されているのだ。

・6月17日 一通目の確認書

・6月22日 願書(竹田筆頭秘書が小山氏に対し、7月3日午前10時に事務所で安倍首相と面談してほしいと依頼)

・7月3日 安倍首相と小山氏が2時間面談

・7月13日 上記の直接面談を踏まえ、2通目の確認書

 1通目の確認書では、竹田筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。

 安倍首相と面談後に作成された2通目の確認書では、地元への大型スーパー出店をめぐり、都市計画を変更し便宜を図ることをにおわせる文言が記載されている。

 どの文書も、当事者でしか知りえない事実が記載されている。

安倍首相宅などに火炎瓶
 しかし、確認書を交わしたにもかかわらず、合意通りに実行されなかった。それどころか8月30日、逆に佐伯秘書に対する恐喝容疑で小山氏は逮捕された(9月21日に不起訴)。

 怒った小山氏は、指定暴力団「工藤会」系の高野組・高野基組長に依頼して、2000年6月から8月にかけて、安倍氏自宅などに4回も火炎瓶を投げさせた。その事件から3年後の03年11月、小山氏や高野組長ら数名が逮捕された。裁判の末、小山氏は懲役13年、高野組長は懲役20年(余罪あり。現在も服役中)の判決が確定する。

第一次安倍政権が発足する直前には、"共同通信社"がこの事件を報じる予定だったが、社内で大議論の末、寸前のところで出稿を見合わせた。

 このときに"共同通信"が記事を配信すれば、安倍政権は誕生していなかった可能性が高い。

@1通目確認書。すでに竹田力筆頭秘書とのやりとりや、「古賀つぶし」(選挙妨害)についても触れられている。(※資料:山岡俊介氏提供、以下同)
A2通目願書。竹田秘書により、7月3日午前10時に安倍晋三氏と小山氏を直接対面させる旨が記されている。
B3通目確認書。上記の直接面談を踏まえた文書。

 山岡氏は、自身が運営するニュースサイト「アクセスジャーナル」で連日、報道した。一方、確認書類3通も載せて寺澤氏は、電子書籍『安倍晋三秘書が放火未遂犯とかわした疑惑の「確認書」』(インシデンツ)を発表した。

安倍氏が暴力団につながる人物と直接面談し、「確認書」を交わすという前代未聞の大スキャンダルである。
(@ABの画像と全文はこちらへおねがいします。)https://biz-journal.jp/2019/11/post_128149_2.html

◆山本太郎は国会で追及しています。