2019年11月17日 9時13分
https://news.livedoor.com/article/detail/17392778/

「痴漢は犯罪です」。駅でこう書かれたポスターを見たことはないだろうか。今でこそ当たり前のことだが、かつては「痴漢は犯罪」と言えない時代があった。

「鉄道会社に『痴漢は犯罪』というポスターを貼るように要望したら、『お客さんを痴漢呼ばわりするようで』と拒否されました。鉄道会社が自分のところのイメージダウンになると思っていたんでしょうね」

こう話すのは、関西の女性たちで作る「性暴力を許さない女の会」のメンバー、赤坂浩子さん(57)と周藤由美子(55)さんだ。会は1993年、痴漢に関するアンケートを実施し、被害に悩み憤る女性たちの声を集め実態を明らかにした。

このアンケートの報告書を鉄道会社に配布したことをきっかけに、1995年に当時としては画期的な「痴漢は犯罪」と明記したポスターが駅や車内に貼られ、大阪府警による「痴漢取り締まり強化月間」が始まった。

今から30年近く前、世の中は痴漢被害に対しどのように向き合っていたのだろうか。(編集部・出口絢)
●「お客さんを痴漢呼ばわりするのは…」
1988年11月、世間をにぎわす衝撃的な事件があった。夜の大阪市営地下鉄御堂筋線の電車内で、痴漢をしていた男性2人組に注意した当時20歳の女性が逆恨みされた「御堂筋事件」だ。2人は女性を脅して連れ回し、マンションの建築現場で強かん。3年6カ月の実刑判決を言い渡された。

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