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NY拘置所で死亡の米富豪めぐり、元看守を訴追 自殺防止の監視怠り改ざんと
2019年11月20日

性的人身取引で起訴され勾留されていた米富豪ジェフリー・エプスティーン被告が、今年8月に拘置所内で死亡した問題で、当時の看守2人が19日、監視記録を改ざんした罪で訴追された。同被告の死をめぐる犯罪捜査において、初めての訴追となった。

訴状によると、「虚偽記録の作成と、虚偽記録の作成およびアメリカをだまそうと共謀した」罪で訴追されたのは、トヴァ・ノエル容疑者(31)と、マイケル・トーマス容疑者(41)。
19日に出廷した2人は、無罪を主張した。複数の米メディアによると、それぞれの保釈保証金は10万ドル(約1080万円)という。

監視を怠り、虚偽記録を残す

エプスティーン被告は今年7月、未成年者の性的人身取引と共謀の罪で起訴された。罪状を否認し、保釈を認められなかったためマンハッタン南部のメトロポリタン矯正センター(MCC)に勾留されていた。保釈申請が却下されて間もなく、首に負傷して意識不明になっているのを見つかり、病院に搬送された。その後、自殺防止のため常時監視下に置かれた。
ニューヨーク州南地区連邦地検のジェフリー・バーマン検事は、看守2人は、30分おきにエプスティーン被告の状態を確認することになっていたが、それを怠っていた。そして、実際には確認していたかのように偽って監視記録をつけていたと述べた。
バーマン検事は、2人は「義務づけられている受刑者の監視作業を繰り返し怠り、自分たちの怠慢を隠すために公式書類に虚偽を記録した」と述べた。

勤務時間の「大半」はインターネット閲覧

訴状によると、2人は勤務時間の「大部分」を「デスクに座り、インターネットを閲覧し、共用エリアをうろうろ」して過ごし、受刑者を確認したとの「虚偽の証明」に署名していた。

米連邦捜査局(FBI)ニューヨーク支局のウィリアム・スウィーニー次長は、訴状の中で、「2人の看守は、指令を順守しているとみせかけるために記録を改ざんしていた。こういった行為による治安上の危険は計り知れない」と述べた。
(リンク先に続きあり)

訴追されたトヴァ・ノエル容疑者(左)とマイケル・トーマス容疑者(右)。中央は2人の弁護人
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/154B9/production/_109752278_mediaitem109751445.jpg