来年の年賀はがき 販売佳境 “終活年賀状”も
2019年12月5日 17時11分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191205/k10012203261000.html


ことしも残すところ1か月を切り、都内の郵便局では令和になって初めてとなる来年の年賀はがきを買い求めようと、多くの人が訪れています。

年賀はがきの販売は先月1日から全国で始まっていて、東京 千代田区の東京中央郵便局では、今月に入って窓口を訪れる人が増えています。

あらかじめ、あいさつ文などが印字されたはがきも用意していて、来年のえとのねずみのデザインや「令和」と大きく書かれたデザインなどが人気だということです。

また、東京オリンピック・パラリンピックを記念した年賀はがきには、大会のメインスタジアムとなる国立競技場が描かれていて、通常の年賀はがきに5円の寄付金が上乗せされ、大会の運営に充てられます。

来年の年賀はがきは、消費税率の引き上げに伴って1円値上げされ1枚63円となっています。

100枚購入した50代の女性は「早めに準備して友人や親せきに出します。年賀状は1年の節目なので毎年楽しみにしています」と話していました。

年賀はがきの発行枚数は、スマートフォンの普及などで減少傾向にあり、ことし・平成31年分は25億5900万枚余りとピーク時の3分の2以下にとどまっています。

東京中央郵便局の新藤珠江課長は「SNSなどで済ませる人も多いと思いますが、温かみのある年賀状をぜひたくさんのお客様にご利用いただきたい」と話していました。

年賀はがきの受付は今月15日から始まり、郵便局では確実に元日に届けるには、今月25日まで投函してほしいとしています。

“終活年賀状”が人気

都内の印刷会社では年賀状を出すのをやめたい人向けに「終活年賀状」と題したホームページを作成し、高齢者を中心に注文が相次いでいるということです。

東京 台東区にある印刷会社では、ことし10月に「終活年賀状」と題したホームページを作成しました。

年賀状を出すのをやめたい人向けに去年から始めたサービスで、受け取った相手が不快にならないような文面を8種類紹介しています。

文面を見ますと「長い間年賀状のやり取りはとても楽しかったのですが年齢的にも準備が大変になって参りましたので、本年をもって皆様へ年始のご挨拶状は控えさせていただくことに致しました」などと書かれていて、「やめる」や「最後」、「終わる」といった直接的な表現は避けるのが無難だとしています。

会社によりますと、高齢者を中心にことしは去年の5倍以上の注文が寄せられていて、年賀状をやめたい理由として、準備する手間がかかることや、消費税率の引き上げで金銭的な負担が増したことなどをあげる人が多いということです。

アルファプリントサービスの田尻比呂代さんは「不義理にならないよう理由を説明した上で絶縁状と受け取られない文面にすることが大切だと思う。年賀状を出さなくなる人が増えるのは複雑な気持ちだが、時代の流れを取り込んで新規の顧客開拓につなげたい」と話していました。