2019/12/12 8:12
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191211-00050389-yom-soci

川崎市多摩区を流れる三沢川と灌漑(かんがい)用水「大丸用水」との合流地点に設置されている水門が、
さびついて開閉操作ができないことが同区への取材でわかった。
水門は約50年前に神奈川県が設置したが、いつから保守点検していないか不明という。
台風19号でこの水門付近は多くの浸水被害が出ており、12日で上陸から2か月となる中、危機管理の甘さが露呈している。

大丸用水は多摩川を水源とし、東京都稲城市から多摩区内を流れて三沢川に合流する。
灌漑用水のほか、雨水や生活排水も流れ込んでいる。
合流地点の水門は幅3メートル、高さ1・8メートルの昇降式で、開閉は手動式となっている。
台風で特に水門付近の菅稲田堤3丁目は、水門から用水路の上流400メートルほどにわたって周辺の住宅が浸水被害を受けた。
三沢川の水位が上昇し、用水路の水が流入できなくなってあふれたとみられる。

多摩区役所道路公園センターが台風の浸水範囲や原因を調べていたところ、水門がさびで操作できず、
開いたままの状態になっていることが判明した。
水門は1971年に県が設置したが、それ以降、保守点検した記録は一切ないという。
どこが水門の維持・管理業務を行うかも不明で、設置から半世紀近く、放置されたままの状態だった可能性もあるという。

三沢川の水位が上昇した場合、一般的には逆流を防ぐために水門を閉めるのが原則だ。
今回のケースでは、「用水路の水位もかなり高かったので、閉めれば被害が軽減できたかは今後の検証が必要」としている。
同センターの青木誠所長は「いつから水門管理者の所在が分からないのかも不明で誠に申し訳ない。
 早急に県と相談してどう管理していくかを決めて対策を取りたい」と話している。
多摩区によると、区内は約9万8000平方メートル浸水し、約350軒が被害を受けたという。

開閉操作ができず、管理者も不明の水門
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