英国と日本の研究チームが、東南アジアの熱帯に咲く花「ウバリア・グランデフローラ(Uvaria grandiflora)」に含まれる物質をベースに、膵臓のがん細胞を殺す薬剤を開発した。
膵臓がんは最も悪性度の高いがんの1つだ。

この研究結果が「ChemMedChem」に掲載された。
研究チームは研究の過程で、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピンに分布する熱帯の花「ウバリア・グランデフローラ」に含まれるグランジフロラジンが、現在、膵臓がんの治療で使用されているものより毒性が低く、より効果のある抗がん剤のベースとなりうることを発見した。

研究チームは、膵臓がんは悪性度が高く、膵臓がんの腫瘍は通常、回復に必要な物質が血液によって器官に届けられるよりも早いスピードで進行すると説明している。
英バース大学のプレスリリースでサイモン・ルイス上級講師は「膵臓がんは、健康な細胞に栄養を行き渡らなくし、死滅させる。その一方、がん細胞は栄養を受け取り成長しつづける」と述べている。

また、同大学のプレスリリースでは「われわれが開発した薬剤は、健康な細胞がもらうべき栄養を奪うがん細胞の能力をなくさせる。
その結果、がん細胞は栄養が得られず死滅し、栄養を正常に受け取る健康な細胞はがん細胞の悪影響を被らない」と述べられている。
研究者チームによると、臨床試験を開始するまでに、あと5年ほど薬の成分についてテストしなければならないという。

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