https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191219/k10012220381000.html


サハロフ賞にウイグル族学者 娘が国際社会に支援訴え
2019年12月19日 5時20分

EU=ヨーロッパ連合の議会が人権を守る活動に貢献した人に贈る「サハロフ賞」の授賞式がフランスで行われました。ことしの受賞者は中国の少数民族ウイグル族の権利擁護を訴え、中国当局に拘束・収監された学者のイリハム・トフティ氏で、本人に代わってアメリカ在住の娘が賞を受け取りました。

ことしの「サハロフ賞」を受賞したウイグル族の経済学者、イリハム・トフティ氏(50)はウイグル族の権利擁護のほか、漢族との融和や相互理解を長年、訴えてきましたが、5年前、中国当局に拘束され、その後、国家の分裂を図った罪で無期懲役の判決を受け、現在、服役中です。

フランスのストラスブールにあるヨーロッパ議会で18日、行われた授賞式には、アメリカに暮らす、娘のジュハールさんがイリハム氏の写真を手に出席し、本人に代わって賞を受け取りました。

ジュハールさんは「父が今、どこにいるのか、そして生きているのかさえわかりません。それでも、この場に来られない父に代わってお話できることをうれしく思います」と述べました。

そのうえで新疆ウイグル自治区の現状について「ウイグルの人々は信仰や言語、文化など基本的な権利すら否定され、何の自由もありません。100万人、あるいはそれを超える無実の人々が収容所に入れられ、拷問されたり、亡くなったりした人もいます」と述べ、国際社会の支援を訴えました。