厚生労働省は20日、2018年度に障害者が家族や福祉施設職員から受けた虐待が2204件あり、被害者は2403人だったと発表した。前年度から167人増え、調査を始めた12年度以降で最も多かった。

自治体への相談・通報も7936件と過去最多だった。厚労省は「家庭の相談に警察が早期対応し、施設にも早期通報の意識が高まっている。虐待は許されないが、軽微な段階で対応し、エスカレートを防げている面もある」と分析している。

調査は12年に施行された障害者虐待防止法に基づき、今回で7回目。

施設職員による虐待は592件、被害者は777人で、内訳(複数回答)は、暴力や拘束といった身体的虐待が52%を占めた。次いで暴言などの心理的虐待が43%、性的虐待が13%。加害者は生活支援員が42%で最も多かった。

2019/12/20 18:51 日本経済新聞
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