朝鮮学校への補助金を求める声明を出した全国の弁護士会に大量の懲戒請求が出された問題で、このうち札幌の弁護士らが不当な請求で精神的苦痛を受けたなどと訴えた裁判の第1回口頭弁論が札幌地方裁判所で開かれました。被告側は「実質的な損害は生じていない」として訴えを退けるよう求めました。

全国の弁護士会が朝鮮学校への補助金の交付を求めて声明を出したことをめぐっては、ネット上のブログが「声明への賛同は犯罪行為だ」などと懲戒請求を呼びかけ、おととしだけで各地の弁護士会関係者に13万件もの懲戒請求が出されました。
このうち札幌弁護士会に所属する3人の弁護士も不当な請求で精神的苦痛を受けたなどとして、請求をした人のうち道内の52人を相手取りあわせて1650万円の損害賠償を求めています。
この裁判の第1回口頭弁論が23日札幌地方裁判所で開かれ、原告の1人の池田賢太弁護士が「不当な懲戒請求は日常生活への攻撃でもある。この問題の背後にある人種差別を見過ごしてはならない」と訴えました。
これに対し、被告側は「結果として実質的な損害は生じていない」などとして訴えを退けるよう求めました。

12月23日 20時59分
https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20191223/7000016484.html