0001孤高の旅人 ★
2019/12/26(木) 14:01:18.28ID:zQ1iJyqh92019年12月26日 12時05分
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019122690120550.html
カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡って現金を受け取ったとして、東京地検特捜部が二十五日、収賄の疑いで衆院議員の秋元司容疑者を逮捕した。久々の国会議員逮捕に注目が集まるが、空白の約十年間に疑惑が浮上しながら立件されなかった政官界関係者も多い。年の瀬に進む異例の捜査は、特捜検察の復活を意味するのか。(中沢佳子)
◆「空白の10年」に終止符?
かつて「最強の捜査機関」と呼ばれた特捜部。田中角栄元首相を逮捕した「ロッキード事件」(一九七六年)や、未公開株を受け取った政治家や官僚を立件した「リクルート事件」(八八〜八九年)を手掛け、毎年のように耳目を集めた時期もあった。しかし、二〇一〇年の石川知裕衆院議員(当時)の政治資金規正法違反事件の後、身内の大阪地検特捜部の証拠改ざん事件が発覚し、国会議員の逮捕は途切れていた。
◆政界関係者 相次ぎ立件できず
この間、政官界の関与が疑われた事件が皆無だったわけではない。小渕優子元経済産業相の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件では、一五年に秘書が在宅起訴されたが、本人は不起訴となった。一六年には、甘利明元経済再生担当相に建設業者からの現金授受疑惑が持ち上がったが、こちらも不起訴に。近年は、金融商品取引法違反罪などで昨年起訴した日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の事件など経済事件が目立つ。
大阪地検特捜部も一八年、学校法人「森友学園」を巡る文書改ざん問題で、国税庁の佐川宣寿元長官や財務省職員ら三十八人を不起訴にしている。その後、検察審査会が佐川氏らを不起訴不当とする議決をしたが、特捜部は今年八月、再び不起訴とした。
◆「最近は官邸との距離近すぎ」
ジャーナリストの伊藤博敏氏は「最近の特捜部は官邸との距離が近く、なかなか政界に切り込めなかった。証拠が残りやすい政治資金規正法や公選法に絡む事件ばかりなのは、大阪地検の問題で捜査への自信をなくしたことや、密室のやりとりが主の贈収賄の裏付け捜査が難しくなったことが一因」と話す。
こうした中、現職議員を逮捕した東京地検特捜部。秋元容疑者は「中国企業に便宜を図ったことはないし、お金も一切もらっていない」と関与を強く否定していたが、強制捜査に踏み切った。
政治評論家の有馬晴海氏は「秋元議員は周囲の意向をくんで機敏に立ち回るので永田町で重宝されていた。特捜部は、これまでのような個人的な便宜や選挙絡みのカネではなく、職務権限を利用した贈収賄を狙っていたのだろう」と話す。
◆異例の年末着手は拙速「復活とは言えない」
一方、「地検は安倍政権に飼いならされ、政界捜査に消極的だった。副大臣経験者の逮捕は意外」と語るのは、元東京地検特捜部検事の郷原信郎氏だ。
捜査機関は官庁や企業が閉じる年末年始の着手を避ける傾向がある中、特捜部はこのタイミングで逮捕した。年明けには通常国会が召集されるが、会期中の国会議員を逮捕するには逮捕許諾請求が必要となる。会期前に逮捕しても、国会が開けば釈放を要求される可能性があることを、郷原氏は指摘する。
「開会までに起訴に持ち込みたいと、日程を逆算したのだろう。拙速さと焦りを感じる。(保釈目前に別の容疑で再逮捕するなど)国際的に批判のある長期勾留を続けたゴーン氏の時もそうだが、今の捜査はむちゃくちゃだ。現段階で『特捜復活』と評価することはできない」