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匿名Twitterで在日コリアン女性を誹謗中傷、男に罰金30万円の略式命令
川崎に暮らす在日コリアン3世の崔江以子さんにTwitterを通じてヘイトスピーチなどの嫌がらせを繰り返していた匿名アカウント「極東のこだま」。検察側による略式請求では、うち4つのツイートについて、「嫌悪の感情等を充足する目的で投稿をした」としている。

2019/12/27 8:10:34 GMT
Kota Hatachi
籏智 広太 BuzzFeed News Reporter, Japan

「極東のこだま」を名乗るTwitterの匿名アカウントで在日コリアンの女性に誹謗中傷を繰り返していたとして、川崎簡易裁判所は12月27日、神奈川県藤沢市の男(51)に罰金30万円の略式命令を出した。

女性の弁護団が27日、明らかにした。横浜地方検察庁川崎支部が同日、男を神奈川県迷惑行為防止条例違反(つきまとい行為)の罪で略式起訴し、川崎簡裁が略式命令を出したという。

男は2016年から17年にかけて、1年半にわたりのべ数百件にも及ぶツイートをしていたという。女性は会見で「ネット上の匿名の書き込みによる差別は許されないという社会正義がやっと示されました」と語った。

まず、経緯を振り返る

被害にあったのは、川崎に暮らす崔江以子(チェ・カンイジャ)さん(46)。在日コリアン3世だ。

「極東のこだま」による嫌がらせがはじまったのは、2016年3月ごろ。崔さんの暮らす川崎・桜本でヘイトデモが相次いでいたことを受け、それに反対する動きをはじめたことがきっかけだった。

ツイートはいつも、週末だった。まるで、「余暇を楽しむかのように」(代理人弁護士)さまざまな脅し文句やヘイトスピーチが繰り広げられた。実際は違っていたが、すぐそばに住んでいて、いつも監視しているよう装っていた。

「一番憎いのは在日」「チョーセンを許さないよ、特にカンイジャな」「チョーセンはしね」「植木に使うナタを買ってくる予定。レイシストが刃物を使うから通報するように」「すれ違わないかな」「民族性モロ出しの小賢しさ」「桜本のチョン公」「川崎の泣き女」

警察からは、表札を外し、インターホンをオフにし、さらにカーテンを閉めておくように言われた。外に出る時にマスクをつけたり、メガネをかけたりして、できる限り他人と目を合わせないようにした。

家族が特定されるのを防ぐため、一緒に出かけることもできなくなった。崔さんはBuzzFeed Newsの以前の取材に対し、当時の心境をこう語っている。

「とりわけ辛かったのは、小学生の子どもと一緒にいられなかったことでした。家族とバスに乗っても離れて座る。手を繋いでコンビニにアイスを買いに行くこともできない。自分のせいで子どもにつらい思いをさせ、母親として、申し訳なかった。出口が見えない、そんな暮らしがずっと続いていました」

近所に住んでいるのではないか。どこかで、後をつけられているのではないかーー。心が磨耗する日々が続いた。恐怖と苦しみのあまりのストレス性の不眠症と突発性難聴は、いまも続いている。

3年半越しの略式命令
(リンク先に続きあり)