東京オリンピック・パラリンピックは目前に迫り「その後の日本の経済がどうなるか」は気になるところ。2020年のお金のトピックスを先取りしよう! 

■6月末のポイント還元終了で景気の冷え込みも

 東京オリンピック・パラリンピックのインフラ整備はほぼ終わり、さらなる経済効果は期待できない。残るはインバウンドの増加による消費拡大だが、それも大会終了まで。以降の日本経済はどうなるのか。影響の大きい2020年のトピックスをファイナンシャル・プランナーの藤川太さんに聞いた。

 「経済に大きな影響を与える可能性があるのは、ポイント還元が6月末に終了することです」と指摘する藤川さん。

 ポイント還元は、2019年10月の消費税率の引上げに合わせて導入された。増税によって消費が落ち込むのを回避するのが目的で、買い物の際にキャッシュレスで決済すると、対象店舗では5%が還元されるというもの。参加店舗数は約90万店(12月11日現在)におよぶという。

 反響は予想以上。19年10月のスタート当初は1日当たり還元額が約8億円だった。しかし、12月に入ると約12億円にまで増加した。政府はポイント還元の予算として当初2798億円を考えていたが、このペースでいくと6月末以前に予算が足りなくなってしまう。そこで1500億円の追加予算を検討している。

 消費者がポイント還元に殺到しているのは、それだけ消費税率の引上げの影響が大きかったことを意味する。
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■消費増税で新車販売台数は20〜30%の減

 「実際に増税後の消費の落ち込みは深刻です」と藤川さん。

 日本自動車販売協会連合会によると、消費税率が引き上げられた19年10月の新車販売台数は、普通自動車が約12万3000台で前年同月比25.3%減、小型乗用車は約10万4000台で同30.2%の減となった。貨物車やバスも20〜30%の減少となっている。

 新車販売は日本経済に与える影響が大きい。単価が大きいからGDP(国内総生産)に直接与える影響が大きい。雇用にも大きな影響を及ぼす。日本自動車工業会によると、自動車関連の就業人口は546万人に達する(2017年)という。日本の就業人口6664万人の8.2%を占める。新車販売台数の落ち込みが自動車業界の雇用悪化につながれば、消費にも大きな影響を及ぼす可能性があるわけだ。

 ポイント還元を実施していないスーパーマーケットや百貨店の落ち込みも激しい。日本百貨店協会によると、19年10月の全国百貨店の売上高は前年同月比17.5%減となった。消費税率引き上げ前の9月は同23.1%増であったことを考えると、反動減が大きいと考えられる。

 「問題はポイント還元の終了後、オリンピック・パラリンピック終了後の景気刺激策が何も打ち出されていないことです」

■2020年の不動産市況はどうなる? 

 2020年の後半、日本の景気は落ち込みが予想される。それは不動産も同様。

 「オリンピック後には選手村が販売される予定ですから、供給過剰になるでしょう」

 不動産の市況を見極める指標に「新築マンションの契約率」がある。これは、新築で販売開始されたマンションが1カ月間にどれだけ売れたかを示すもの。7割を超えると、好調と判断される。

 不動産経済研究所の「首都圏マンションの市場動向」によると、19年10月の契約率は前年同月比25.7ポイントダウンの42.6%だった。7割とは程遠い状況だ。

 「2015年以降は7割を下回る月が続いています」

 一方で価格は高止まりが続いている。同じデータで19年10月の一戸当たりの価格は5992万円。前年同月比58万円のアップになった。

 しかしこれは、需要増による上昇ではないという。


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1/1(水) 11:16配信
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https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200101-00031797-president-bus_all