越年した「桜」は、年明けに召集される通常国会で満開になりそうだ。

 秋の臨時国会は逃げの一手で閉会にこぎ着けたが、通常国会ではそうはいかない。補正予算、本予算の審議で少なくても3月まで予算委が続く。

 野党が結成した「追及本部」は年末年始も調査を進め、関係者のタレコミが集まってきているという。新事実も次々と判明。安倍首相の地元・下関の市議が、19年の「桜を見る会」前夜に開かれた夕食会の参加者に聞き取り調査を行ったところ、領収書を受け取った人はいなかった。会費を払わなかった参加者もいた。選挙区の有権者に対する買収行為を禁じる公選法違反の疑いは濃厚だ。

「これまでは前座に過ぎず、桜疑惑の追及は通常国会が本番です。野党にしつこく攻められ、イライラした安倍首相がブチ切れて自爆する可能性もあるし、潮目を見た役人が重要資料を出してくるかもしれない。デタラメの状況証拠がこれだけ揃っていて、一問一答形式の予算委を何事もなく乗り切れるとは思えません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 すでに、無理を重ねた政府側の答弁はガタガタになっている。招待者名簿を「廃棄した」「復元しない」はマシな方で、反社会的勢力は「定義が困難」と閣議決定。“私人”である昭恵夫人の公用車の使用状況については、「公用車の定義はさまざま」とか言いだした。とても政権を任せておけるレベルではない。

 有権者が見限るのが先か、自爆が先か。政権瓦解は時間の問題だ。

公開:20/01/02 06:00 
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