https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200107/K10012237441_2001071200_2001071201_01_02.jpg

イランがアメリカ軍による司令官殺害への報復を繰り返し警告するなか、アメリカ軍がイラクに宛てて部隊の撤退を示唆する内容の書簡が流出しました。エスパー国防長官は撤退を否定していますが、イラン、そしてイラクも撤退を求めていて、今後のアメリカ軍の動向も焦点となりそうです。

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アメリカの複数のメディアは6日、アメリカ軍がイランの隣国のイラクに宛てて、イラク国内に展開する部隊の撤退の準備を進めると伝えたとする書簡の内容を伝えました。

書簡ではイラクの議会が5日に、アメリカ軍などの即時撤退を求める決議を可決したことを踏まえ「イラクの主権者の決断に敬意を表する」としたうえで、国外に安全に退去するため、今後数日から数週間をかけて軍を再配置するとして、撤退を強く示唆しています。

これを受けてエスパー国防長官は急きょ記者会見し「撤退という決定は何もしていない」と述べて、書簡の内容を強く否定しました。

さらに、アメリカ軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、書簡は下書きだとしたうえで「稚拙な文章だが、撤退は計画していない」と釈明しました。

そのうえで「実際は中東への部隊の増派でイラク国内での移動が活発化することを伝えようとした」としています。

ただ、イラクのアブドルマハディ暫定首相は6日、アメリカに対しイランとの衝突の回避に向けて、部隊の撤退への協力を要請していて、イランも周辺地域からのアメリカ軍の撤退を要求しています。

イランのメディアは最高指導者ハメネイ師の外交顧問が6日、「アメリカがこの地域を離れるなら被害は少なくなるが、そうでなければ一帯はベトナムの時よりも泥沼化するだろう」と述べたと伝えていて、今後のアメリカ軍の動向も焦点となりそうです。


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