新年になっても続く記録的な暖冬、各地で様々な影響が出ています。雪が降らない石川県内の山あいでは冬眠を忘れたのかクマも現れています。

 日本屈指の豪雪地帯は、いつもと違う新年を迎えていました。

(リポート)
「一月の白山市白峰地区、地名のような白さはまだありません。こたつで丸くなるはずの猫も朝からお散歩です」

 石川県白山市の白峰地区。年明けに5センチほど雪が積もりましたが、今シーズンはそのほかに目立った積雪は無し。除雪車の出番も、おあずけです。

住民:
「正月に降った分がたまったが、大したことない。去年も少なかったが、今年は断然少ない。」

別の住民:
「正月までに屋根雪下ろしたことも多々あったが、今年のようにこんな楽な正月はなかった。これから夏にかけて気温がどうなるか心配…」

 白峰地区の住民が今特に気がかりなこと。それは2月に控えた地区の一大イベント「雪だるままつり」の開催です。

 雪だるままつりには毎年7000人近くが訪れます。1990年の第1回以降、雪不足で中止になったことは一度もありません。

雪だるま実行委員会事務局 西山里香子さん:
「これから雪が降るかもしれないのでわからないですけど、ちょっとドキドキはしています。毎年なんだかんだ開催できているので、雪があるところからトラックで雪を持ってくるなど開催できないことはほとんどないと思う」
雪だるま実行委員会事務局 田邊絵夢さん:
「お客さんも楽しみにしてくださっていると思うので、準備は着々と進めていきたい。雪が降ることを願って…」

(リポート)
「一方、こちらは金沢市の卯辰山です。暖冬の影響でしょうか、普段なら眠っているはずのあの動物もまだ活動しているようです」

 5日夕方、警察にある通報が…。

<通報内容>
「大人のクマ一頭を見かけた」

 クマが目撃されたのは金沢市末広町の卯辰山。市の職員と猟友会があたりを確認したところ、ここ数日に付けられたクマの足跡を2カ所で発見。

 しかも足跡は大人のクマと子グマの2種類とみられ、複数のクマがさまよっているとみられます。

 今の時期、冬眠しているはずのクマがなぜ活動しているのでしょうか…。

石川県立大学大井徹教授(動物生態学):
「去年秋はクマの主食・ドングリが不作で、十分に栄養を蓄積できなかったクマがいるのでは。また気温が冬になっても下がらず積雪もないので、冬眠開始が遅れているクマがいると考えられる。山の中にはほとんどエサはないが、里の方には取られていない柿の実がぶら下がっている。そういったものをエサにしているのでは。」

 金沢市は、今回クマの出没した地区の住民に早朝や夜間の不要な外出を控えるよう呼びかけています。

 暖冬による思わぬ影響が出始めている石川県内。暦上は6日が「寒の入り」でしたが、本格的な冬の寒さは訪れるのでしょうか?

1/7(火) 20:30配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200107-00001872-ishikawa-l17