中東のレバノンに逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告の妻で偽証の疑いで逮捕状が出ているキャロル容疑者について日本の捜査当局がICPO=国際刑事警察機構に国際手配を要請したことが関係者への取材で分かりました。検察はキャロル容疑者がゴーン元会長の事件の証拠隠滅を図っていたとしていて国際手配によって海外での動きを制限するねらいがあるとみられます。

中東のレバノンに逃亡した日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン被告(65)の妻のキャロル・ナハス容疑者(53)について、東京地方検察庁はゴーン元会長の特別背任事件に関する裁判所の証人尋問でうその証言をしたとして、今月7日、偽証の疑いで逮捕状を取っています。

関係者によりますと東京地検はキャロル容疑者について警察庁を通じてICPO=国際刑事警察機構に国際手配を要請したということです。

東京地検はキャロル容疑者が事件関係者と口裏合わせをしたり、多額の口止め料を支払ったりして証拠隠滅を図っていたと主張していて、国際手配によって海外での動きを制限するねらいがあるとみられます。

また東京地検はおととい、ゴーン元会長が使っていたパソコンの差し押さえを弁護団が拒否したことについて東京地方裁判所に対し、裁判所の権限でパソコンを差し押さえたり、弁護団に提出を促したりすることを求める申し立てを行ったことも分かりました。

弁護士には依頼者の秘密を守るため令状に基づく差し押さえを拒否する権利が法律で認められていて、裁判所の今後の対応が注目されます。

2020年1月10日 11時53分
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