2020年01月15日 16時00分

ブラウザがウェブサイトにアクセスする際に送信するユーザーエージェント文字列は、使用しているOSやデバイスのアーキテクチャ、ブラウザの情報などを含んだテキストであり、ウェブサイトの表示形式などに影響します。オープンソースのウェブブラウザエンジンChromiumをベースとしてGoogleが開発するGoogle Chromeが、このユーザーエージェント文字列を段階的に廃止する方針であることが明らかになりました。

Chrome開発チームは2020年1月14日の公式ブログで、ユーザーのプライバシーを保護するための取り組みを強化していくことを発表しました。開発チームは2019年8月に公開したプライバシーサンドボックス(Privacy Sandbox)という提案に基づき、2年以内にChromeにおいてサードパーティCookieのサポートを廃止するなどして、よりプライベートなエコシステムの構築を目指すとのこと。

近年ではAppleのSafariやBrave SoftwareのBrave、MozillaのFirefoxといった多くのウェブブラウザがプライバシー保護に力を入れており、広告に利用されるユーザートラッキングを着実に削減しています。Chromeのプライバシーサンドボックスは比較的後発の取り組みとなりますが、ウェブアクティビティのうち64%がChromeによるものといわれており、Chromeによるプライバシー保護の取り組みは非常に重要だといえます。

また、Chrome開発チームが取り組んでいるプライバシー保護システムの中でも注目に値するのが、「ユーザーエージェント文字列の段階的な廃止」です。ウェブサイトにアクセスした際に送信されるユーザーエージェント文字列は、ウェブサイトの表示形式などを向上させるために使用されてきたもので、ウェブサイトはユーザーエージェント文字列に応じて適切な表示を行うことができます。


ところが、一部のウェブサイトではChromeなどの大手ウェブブラウザからのアクセスのみを許可し、マイナーなウェブブラウザのユーザーエージェント文字列を確認した場合、アクセスを拒否するケースもあるとのこと。Operaの元CEOらが開発するVivaldiというウェブブラウザは、ユーザーエージェント文字列に応じたアクセス拒否を回避するため、「ユーザーエージェント文字列をChromeに見せかける」ことを余儀なくされたと述べました。

さらに、近年ではユーザーエージェント文字列がウェブサイトの訪問者を識別・追跡し、Cookieなしでユーザーを特定するブラウザ・フィンガープリントに利用されているとの指摘もあります。ユーザーエージェント文字列によるユーザートラッキング問題を解決するため、Chromeの開発チームはユーザーエージェント文字列を段階的に廃止することを決定しました。
https://gigazine.net/news/20200115-chrome-phase-out-user-agent-strings/
※抜粋記事です。詳しくはリンク先へお願い致します。

https://i.imgur.com/k1kFJYn.jpg