クボタは15日、京都市伏見区の京都パルスプラザで農業機械などの製品展示会を開催した。国内で農業の担い手不足が進む中、省人化や作業効率の改善につながる自動運転機能を搭載した製品を多数出展。平成30年に放映されたドラマ「下町ロケット」で自動運転農機の提供や技術指導を行った同社の最新技術を紹介した。

 自動運転農機「アグリロボ」シリーズのうち、10月に発売予定の田植え機を展示。従来は搭乗者と稲を補充する補助者の2人が必要だったが、新製品では自動運転により補助者が近くで動作を監視しながら、1人で田植え作業を行うことができる。

 同シリーズでは、畑を耕すトラクターや収穫作業用のコンバインも発売しており、稲作の主要な農機3機種で自動運転が可能になる。大規模な農地を持つ農家や農業法人への販売を想定している。

 また、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を活用して直進を維持する機能を備えたトラクター「スラッガーGS」の試乗会も開催。運転者がハンドルを操作しなくても、凹凸などを踏み越えながら進路を自動で補正する様子が紹介された。

 このほか、脱ディーゼル自動車の取り組みが進むパリでモニター試験を予定している電動トラクターのデモンストレーションが行われたほか、人工知能(AI)などで完全無人の自動運転を目指すコンセプトトラクターも公開された。

 クボタの佐々木真治・研究開発本部長は「自動運転に適応した機種を増やし、担い手不足が進む国内農家を支援していきたい」と話していた。

写真:完全無人の自動運転を目指すクボタのコンセプトトラクター=15日午後、京都市伏見区の京都パルスプラザ
https://www.sankei.com/images/news/200115/wst2001150029-p1.jpg

https://www.sankei.com/west/news/200115/wst2001150029-n1.html